ルービックキューブ、好きですか?
もし、色をそろえることよりも、カチッカチッという手ごたえがたまらなくて回し続けているのなら、WOWCubeの沼はもっと深くて、暇つぶしどころじゃない満足感を与えてくれるかも。まあ、それなりの対価を払う気があれば、の話ですが。
全面が有機ELだと!?

CES ( コンシューマー・エレクトロニクス・ショー ) でCubios(キュビオス)社のWOWCubeにちょっと触らせてもらいました。
WOWCubeは"キューブ"というくらいですから6つの面を持つ立方体です。これがさらに、3面に有機ELスクリーンを搭載した小さなキューブ8個に分かれています。
この小さなキューブが、ルービックキューブと同様、くるくるとあらゆる方向に回転します。ゲームをいくつかデモしてもらいましたが、その際のインタラクションがとても不思議で魅力的。キューブを動かすたびに、スクリーン上に展開される場面が変わるのです。
ボールをゴールへ導くだけの単純なゲームを試してみましたが、キューブをひねって、隣り合う面を入れ替えると、面と面の反応が変わるという複雑な仕組みでした。
また、おなじみのパックマンもWOWCubeの上では、キューブをひねって通路を次々とつなげながら、キューブを傾けてパックマンを動かしていくという奇妙な(褒めてる)ゲームに変わっていました。
ちょっと高すぎる

WOWCubeは、数年前から開発中の試作品がCESに出展されていましたが、今回、実際に購入できるようになりました。
現在、3種類のゲームがプリインストールされたバージョンを1個 399ドル(約5万2000円)で予約受付中。その後の小売価格は 499ドル(約6万5000円)になる予定だそうです。「ブラック・エディション」は 699ドル(約91,000円)というとんでもない値段。これには携帯用ケース、ドッキングステーション、誤って落としてしまったときに画面を守ってくれる金属製の角割れ防止カバーが付属しています。
プリインストールされているゲームは21本で、さらにゲームの追加購入に使えるギフトカードも 100ドル(約1万3000円)分ついています。
「新次元のゲーム」とかなんとかいいながら、僕がPlayStation 5に払ったのと同じくらいの値札をつけたガジェットを引っ提げた企業が現れたら、しばらくのあいだは暖かく見守ろうかなぁと思うのはいつものことなのですが、WowCubeが魅力的なテクノロジーであることは事実です。とはいえ、これほど興味をかきたててくれる新製品に、こんな大金を払わなければならないとは残念なことこの上ありません。
アプリが増えれば無限に遊べる
良い点はWowCube自体が確かなテクノロジーの塊であること。僕が触ってみた限りでは、ずっしりとはしていましたが、重い~という感じではありませんでした。
タッチスクリーンはどれも入力に敏感に反応するようでしたし、キューブを傾けて操作するゲームもいくつかプレイしてみましたが、画面上のオブジェクトは思いどおりに動きました。キューブを振ると、メインメニューに戻るのも楽しい。しかし、何よりも感動的だったのは、ブロックを回したときの滑らかさ!それだけで、フィジェットキューブのボタンをフリックしているときと同じくらい満足感を得られました。
同社のCEO、 マックス・フィリン ( Max Filin )氏が本体を分解し、小さなキューブはそれぞれ個別に動作できると説明してくれました。この技術により、将来のWOWCubeでは、さまざまなキューブを接続して、ゲームをプレイする可能性がさらに広がるそうです。
WOWCubeが面白いテクノロジーであることは確かですが、この値段でゲームだけというのは実にもったいない話です。
天気予報、デジタルフォトフレーム、スマートナイトライトなどいろいろなアプリが付いてくるとは聞いていますが、この価格に見合うかどうかを判断するには、もう少し使ってみる必要があると思います。
また、同社は専用の開発キットを使って、ゲームを制作してもらおうと、多くの人に働きかけていますが、誰がこのキューブの勢いに便乗するかも、時が経てば分かるでしょう。