修理する権利に後押しされて、長く使えるよう設計されている端末が注目され始めている昨今。
電子ゴミを減らすためには、長く使うことはもちろん、デジタルリサイクルも大切な取り組みのひとつです。
が、リファービッシュ版=整備済製品のMacには最近悩みの種が…。端末初期化しても、元の持ち主がログインして適切な初期化をしてくれないと使えないという問題が起きているんです。原因はApple(アップル)のT2セキュリティチップ。
T2チップのセキュリティが厳しすぎる
T2問題として報道したViceによれば、これはT2チップ搭載のMacすべての共通問題。
2017年デビュー、2018年アプデのT2チップの機能には、Touch IDの生物データや暗号化データが含まれています。
問題は、このT2チップのセキュリティが厳しすぎて、元の持ち主が「Find My」機能を切るか、消去アシスタントを使って中身をリセットしておかないと、第三者であるリサイクル業者がいくら工場出荷状態にリセットしても使えないということ。
結果どうなるかというと、整備済製品として数十万でリセールできる価値がある端末なのに、ゴミにされてしまうのです。
正しい方法で初期化しないとゴミに
整備済端末を扱うTwitterユーザーの中には
これ、何年も前に予想はしてたんだけど、アクティベーションロックがかかったT2MacBookがリサイクル業者に大量に流れてきてる。
業者の中には、R2認証(アメリカのリサイクル業者の認証)違反してでも、僕みたいに部品として使う人に売っちゃうとこもあるけど、ほとんどは責任感からゴミに出してる状態なんだよな。
と、中の人の立場から声をあげる人も。
原因にあるのは、T2チップのアクティベーションロック。これは、万が一端末が盗難にあった場合、第三者に利用されないようにする仕組みです。
元オーナーがうっかり適切な処置をせず端末を手放してしまうと、不正利用(盗人)から守るための機能が、端末自体をゴミにしてしまうなんて、こんなやるせないことありますか?
Viceによれば、これに陥る端末の多くはApple(アップル)と大口契約している教育や企業が多いというので、元オーナーに連絡をとって手順を踏んでもらうというのも難しいのだとか。前述のTwitterユーザーは、元オーナーに頼らない術の必要性を訴えています。
Appleが何か対策をとるかはわかりませんが、今いちユーザーである我々にできることは、端末を手放す時は正しい方法でということ。使える端末がゴミになるなんてつらいよ。
Source: Vice