これできますか…?
もっと運動しないとダメ。そんなことは百も承知だという人は少なくないでしょう。でも、どれくらいの運動量が、健康を維持するために必要なのでしょうか? 例えば最も手軽にできそうなウォーキングだったら? えっ、そんなにも必要なの?
30分間隔で5分のウォーキング
このほどコロンビア大学のVagelos College of Physicians and Surgeons(医科大学院)の研究チームは、デスクワークの人が健康を維持するため適度な運動量を調査した論文を、医学ジャーナルの「Medicine & Science in Sports & Exercise」に発表しました。調査に参加したすべての人に、5種類のデスクワークスタイルを体験してもらいながら、血圧ならびに血糖値の測定を随時進めることで、健康状態の分析が行なわれました。
最も健康状態に良いとの結果に至ったのは、8時間のデスクワークの間、トイレや食事休憩とは別に、30分ごとに5分のウォーキングを強制的に行なうスタイル。この間隔を守って過ごすと、食後でも血糖値を大幅に下げることに成功し、血圧も上がらないことが判明したとされています。
ここまで劇的な結果は出なかったものの、たとえ30分ごとに1分だけウォーキングをしたり、1時間に1度の割合で1分ないしは5分のウォーキングをするほうが、ずっと座ったままの人よりは健康的なこともわかりました。ただし、やはり30分ごとに5分のウォーキングというスタイルで到達する良好な健康状態にはかなわなかったんだとか!
今回の研究チームを率いたKeith Diaz准教授は、こんなふうにコメントしています。
多くのガイドラインが「座る時間を減らして運動を増やす」ことを推奨している。しかしながら、具体的にどのようにするべきか、それほど明確なアドバイスが出されているわけではない。毎日どれくらいの量の野菜や果物を食べるべきか、どれほど運動すべきかについて、推奨されるレベルがあるように、座ったままでいることがもたらす弊害を克服する上で、明確な答えを導き出したいと考えた。
血圧や血糖値などはっきり数値に表われたものだけでなく、30分間隔で5分のウォーキングを実施したときには、メンタル面でも目ざましいプラス効果があったとされていますね。
それにしてもこんな頻繁に席を立ち、外へウォーキングに出かけたりしようものなら、仕事にならないだなんて指摘はないのでしょうか? ずっと座ったままのデスクワークは身体に負担なことは周知の事実ですけれど、健康のためとはいえ、ここまでのハイペースで運動しなければならないというのは、やはり簡単ではないですよね~。