日本のシューズカルチャーの原点、足袋(たび)。
近年ではナイキや、ファッションブランドのマルタン・マルジェラが足袋型シューズをリリースするなど、日本の足袋は世界的に注目されています。
かく言うボクも、足袋型スニーカー好き、いやマニアなのですが、数ある足袋型スニーカーの中でも個人的なイチオシは、日本が世界に誇る老舗シューズメーカー、ムーンスター(MOONSTAR)の「JIKATABI(ジカタビ)」です。
丈夫でしなやか。その秘密は製法にあり

「JIKATABI」は、祭事用の地下足袋をベースにしています。リアルな地下足袋よりも、コンバースの「チャックテイラー」的なハイカットスタイルで、シルエットもスマート。

さらに、ホワイトブラックモデルはソールのとのツートーンがカジュアルからフォーマルまでオールマイティでいけるようなスタイリッシュさ。
しかも、軽くて丈夫、ソールもしなやかで柔らかく、性能面が本当に素晴らしい。これは「バルカナイズ製法」によるところも大きいでしょう。

日本国内でもごくわずかな工場でしか生産できないこの製法。「生ゴムは硫黄と熱を加えることで硬化する」という化学変化に注目した技術で、アッパーとソールの間に固まる前の生ゴムを流し込み、硫黄で満たした釜で熱と圧力をかけて隙間なく圧着するというもの。
一部のスニーカーマニアの間では、このバルカナイズ製法で生産されたスニーカーは“焼き物スニーカー”なんて愛称で呼ばれています。
この履き心地、試してみる価値あります

気になる履き心地ですが、親指を入れる部分と、他の4本の指を入れる部分の2つに分かれているので 、自然と足指を意識し、力が入りやすくなります。また、地面の感触を直に感じられます。
この辺りは通常のスニーカーに比べて若干の違和感はあるものの、リアルな地下足袋よりも底が厚いスニーカー仕様で作られているので足への負担も少なく、長時間の歩行もまったく問題はありません。
コハゼと呼ばれる爪型の留め金を、足の形状に沿ってしっかりと受け糸に引っ掛けることでフィット感も抜群。
個人的感想ですが、慣れてくれば、ヤメられないトマラナイ! クセになる履き心地なのです。

ちなみに、足袋型スニーカーを着用していると、大体周りの人たちから「ソックスはどーするんだよ?」とか「歩きづらいんじゃないの?」とか言われます。
ご安心ください。昨今は、足袋ソックスも充実しており、さまざまなブランドからオシャレなアイテムもリリースされています。もしくは、5本指ソックスを着用するのもアリですね。
最近は、そのグリップ感の良さから山登りなどにも地下足袋を使う人が増えてきたそう。先に述べたように海外でも地下足袋をベースにしたシューズが出回るなど、地下足袋の魅力は再注目されています。
そんな地下足袋スニーカー「JIKATABI」を履いて、今日もボクは街へと繰り出します。
※価格など表示内容は執筆時点のものです。変更の可能性もありますので、販売ページをご確認ください。
Photo: カネコヒデシ
Source: ムーンスター