2019年2月16日の記事を編集して再掲載しています
毎年言ってますけど、これ、アカンですよ。
2019年2月、8人が大やけどでシカゴの病院に運ばれました。原因は「熱湯チャレンジ」の失敗。全員やけどの程度がひどく、8名のうち7名は手術が必要だったそうです。しかも運ばれた患者さんの最年少は3歳。チャレンジをしている本人だけでなく、横で人も熱湯をかぶってしまって大やけどを負うという惨事が起こっているのです。
さてやけどで手術する羽目になってもみんながやってしまっている「熱湯チャレンジ」はなんぞやという話ですが、気温が氷点下の時、沸騰したお湯を外へ持っていき空中にぶちまけると雪に変わるという遊び。もちろんすごく綺麗なので、熱湯チャレンジをしている様子をYouTubeやSNSで写真や動画をアップするというのが毎年この寒い時期に行なわれています。
うーん、やっぱ綺麗ですね。冷たい空気に沸騰したお湯が触れると蒸発してしずくが凍って瞬時に雪になるという現象ですが、ミネソタ大学の気候学者Mark Seeleyさんはこう話しています。
「冷たい空気はとても密度が濃く、水蒸気分子をあまり保持できません。もともと蒸気分子が入れるスペースがあまりないのです。なので熱湯を放り投げるとマイナス22度の空気に保持できる以上の水蒸気ができてしまい、水蒸気が空気中のナトリウムやカルシウムなどの微細粒子とくっついて結晶を作り上げるということです。それが雪の結晶になるわけです」
これを実行するにはマイナス30度ほどの大きな温度勾配が必要だとSeeleyさんは話しています。そうですよね、雪の結晶になってくれなかったら、ただ熱湯かぶるだけですもんね。周りの人もかぶってしまうし。結果大やけどの患者さんを生み出したということですね。もっと安全な方法で雪遊びはできるので、熱湯かぶりはやめましょう。やるなら、かぶるんじゃなくて周りに人がいないことを確認して、前に放るようにしてください。
Source: WLS-TV