ストリーミング動画の広告からおつまみを注文できる時代へ

  • author Lauren Leffer - Gizmodo US
  • [原文]
  • 福田ミホ
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ストリーミング動画の広告からおつまみを注文できる時代へ
Image: Roku / DoorDash

サブスクとは何か。

食べ物をデリバリーする方法って、すでにいろいろありすぎるくらいです。電話してもいいし、パソコンでオーダーもできるし、スマホアプリでも可能です。ドローンで届けてもらうこともできます(結果、近所中が停電になるリスクもあるけど)。

米国では新たに、ストリーミング動画の広告からオーダーできるようになるかもしれません。

ストリーミングにインタラクティブ広告

RokuとDoorDashが提携して、米国でRokuの画面にインタラクティブ広告を表示できるようになったんです。RokuにはTVにつなぐデバイスのタイプと、最初からTVに入ってるタイプがありますが、どちらにも広告が入ります。で、今回の提携では「ショッパブル広告」というタイプが追加され、DoorDashでオーダーできるレストランやスーパーのお得情報がプロモーションされるようになりました。

このショッパブル広告からは、リモコンで電話番号を入力するように誘導されます。するとスマホにプロモーションコードが送られてきて、リンクからDoorDashアプリに飛び、お得にデリバリーを注文できる、という流れです。

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Rokuで表示される広告経由で電話番号を入力すると、スマホにプロモーションコードが送られてきます。
Image: Roku / DoorDash

RokuとDoorDashのコラボはインタラクティブ広告だけじゃなく、Rokuユーザーは無料で「DashPass」の会員権を6カ月分もらえます。DashPassは通常だと月9.99ドル(約1,300円)で、デリバリー料金が無料になるプランです。ただもちろん6カ月の無料期間が終わった後でDashPassを解約しないと、自動的に毎月9.99ドルの支払いが発生します。

Rokuってじつは広告の会社

大した話じゃなくない?と思われるかもしれません。でもこの話のポイントは、Rokuが単にストリーミングプラットフォームとか、ソフトウェアメーカーとか、ハードウェアメーカーとかではなくて、売上面から見ると、じつは広告の会社だってことなんです。

Rokuの利益のかなりの部分はデジタル広告と広告テクノロジー、そして広告データ管理から生まれています。Rokuの売上の80%は、広告を含むプラットフォーム事業から来ていて、ハードウェア事業が占める割合は、世間のイメージ的には大きいかもしれないけど、お金的にはずっと小さいんです。さらにRokuはここ数年、広告事業をさらに強化しようとしていて、たとえばNielsen(ニールセン)との協業でターゲティングTV広告をさらに精緻化したりといった取り組みをしています。

インタラクティブ広告はRokuにとって、Rokuをマーケターに売り込む新たな一手というわけです。DoorDashの広告も、じつはRokuにとって最初のインタラクティブ広告じゃありません。去年はWalmartとの提携で、push-to-purchase(押すだけで買える)広告を開始しました。TVで数フリックするだけで、何らかのモノを買える広告です。

DoorDash広告はちょい生煮え感

でもWalmartの広告と違い、DoorDashの広告はユーザーのTVで直にオーダーはできません。Rokuの広報担当者によれば、今回のインタラクティブ広告からユーザーが直接入手できるのは、DoorDashのプロモーションオファーと、スマホのリンクだけです。今後TVのリモコンで直接オーダー可能になるかも聞いてみましたが、明確な答えはありませんでした。

またこのインタラクティブ広告を現在のパイロット期間に活用してるレストランは、Wendy'sだけです。でもRokuでは、今後数週間でさらなる広告主も参加すると言ってます。

ストリーミングのTV化?

ともあれ、NetflixやAmazon Primeしかり、ストリーミングサービスでも広告が普通になってきましたね。Rokuのインタラクティブ広告は、単に流すだけじゃないハイテクな技もできるよってことなんでしょうけど、どっちにしろ広告は広告なわけで。

ストリーミングサービスは、サブスク料金払う代りに広告なしで見れるもの…ってなんとなく捉えてきたけど、最近そうじゃない方向の圧を感じます。こうなると、無料では広告入れまくるけど月1,000円前後払えば広告なしのYouTubeが、潔く感じられてきますね…。