遠い昔ならぬ2023年は、はるかかなたの銀河でも重要な年になりそうです。
映画9作に及ぶ壮大なサーガが完結した『スター・ウォーズ』シリーズ。その後は舞台をテレビに移し、ドラマやアニメとして数多くのスピンオフ作品が展開されています。でも、ファンが本当に待ち望んでいるのは、新作映画じゃないんでしょうか、ルーカス監督!
『スター・ウォーズ』シリーズの2023年
『スター・ウォーズ』シリーズは、今年2023年、大きな岐路にさしかかっています。評価の分かれた『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』で、スカイウォーカー・サーガが幕を下ろしてからちょうど3年が過ぎたところ。
この間のルーカスフィルムは、懐かしい顔ぶれがそろうドラマ版をDisney+で配信するという安全策に終始してきました。
映画館そのものの将来が不透明ななか、制作の遅延で知られ、何度となくプロジェクトの破綻もあった「スター・ウォーズ」ワールドは今年、最大の試練を迎えることになりそうです。その先がどうなるかは、ルーカスフィルムが映画の魔法を取り戻せかるどうかにかかっています。
今の時点でわかっている予定
『スター・ウォーズ』シリーズの今年最大の賭けは、やはりドラマの配信で、1月から『スター・ウォーズ: バッド・バッチ』の第2シーズンが始まりました。
そのほか、待望の『マンダロリアン』が第3シーズンとして帰ってきますし、デイブ・フィローニ監督のスピンオフドラマ『アソーカ』、アンソロジーアニメ『スター・ウォーズ: ビジョンズ』の第2シーズン、子ども向けアニメの新作『Young Jedi Adventures(原題)』、そしてジュード・ロウ主演で話題の『Star Wars: Skeleton Crew(原題)』も控えています。
また、放映日は未定ながら、ハイ・リパブリック時代を描くシリーズ『The Acolyte(原題)』は2023年下期のダークホースになるかもしれません。
年に1度のお祭り、「スター・ウォーズ・セレブレーション」は、4月にロンドンで開催されます。上にあげた配信ドラマについても詳細が判明することは間違いありませんが、参加者全員の注目が集まるのはなんといっても、シリーズの新作映画についてルーカスフィルムから発表があるかどうかでしょう。
これまでに何人もの監督が起用されては降板し、また復活し、プロジェクトが立ち消えになりました。テレビ画面という新しい舞台に進出を果たしたとはいっても、『スター・ウォーズ』の本来の舞台は、やはり大スクリーンです。
次にメガホンをとるのは、ショーン・レヴィでしょうか、タイカ・ワイティティでしょうか。それとも、ライアン・ジョンソン? パティ・ジェンキンス? あるいは、デイモン・リンデロフか、ケヴィン・ファイギか? 各監督の思惑はいかに?
でも、私たちが本当に知りたいのは、『キャシアン・アンドー』の第2シーズンをいつ見られるかです。予定では2024年とされていますが、テレビ作品の賞が発表される時期に批評家や視聴者の間で話題になっているのは、世界的にメインストリームで高評価を受けている証拠でしょう。ルーカスフィルムとしては久しぶりのことです。トニー・ギルロイ監督が今後どうするのかが期待されます。
新たなる試み
2023年は、ルーカスフィルムのもうひとつのビジネスにとっても大きな年になります。
メディアミックスの「ハイ・リパブリック」プロジェクトは、『スター・ウォーズ』サーガの主な舞台となった時代から200年前を描く前日譚で、小説やコミックで展開されています。それが、『Young Jedi Adventures』『The Acolyte』の両作品としてテレビシリーズにも登場するのです。
第1ウェーブが緊迫の場面で終わった時点から、さらに150年ほど時間を跳び越えるフェーズIIは、2022年の終わりに始まったばかりですが、2023年末にはフェーズIIIと最終フェーズに向かってその終盤が始まることが、すでに予告されています。「ハイ・リパブリック」の最初のキャラクターたちが帰ってくることで、最初の発表時のような注目が集まるでしょうか。
今後を決める重要な年
ルーカスフィルムとファン層にとって、今年は盛り上がりに欠ける年になりそうで、デイブ・フィローニが製作総指揮を務める『スター・ウォーズ』のその後に対する需要はますます強くなるでしょう。
フィローニはジョージ・ルーカスの後継者の一人であり、2023年にも多くのプロジェクトを抱えています。『キャシアン・アンドー』などのシリーズは、1話おきにアソーカ・タノの登場シーンをねじ込むスタイル以上のことが期待されていることを裏付けました。