Adobeから著作権問題をクリアにした画像生成AIサービス「Adobe Firefly」が登場

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  • author ヤマダユウス型
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Adobeから著作権問題をクリアにした画像生成AIサービス「Adobe Firefly」が登場
Image: Adobe

Adobeならではの視座だねぇ。

「なんか最近、AI関連のサービスが出まくってない?」と思い始めたこの頃、ついにAdobeもこの界隈に参戦してきましたよ。コンテンツ生成AI「Adobe Firefly(アドビ ファイアフライ)」のベータ版が登場しました。

画像生成AIのグレーな部分を解決したい

特徴としては以下のような感じ。

・Adobe Stockが持つ数億枚のコンテンツを学習しており、商業利用に特化した画像を生成できる

・権利や著作が不明なコンテンツは学習に含んでいないため、著作権が極めてクリア

・編集や生成の来歴が辿れるコンテンツクレデンシャル機能(Photoshopで既に実装されているもの)に対応

という、画像生成AIに感じていた「それって著作権大丈夫なの?」な部分を、Adobeパワーで解決したサービスになります。現在のベータ版はブラウザで使用できますが、ゆくゆくはAdobe製品内に統合される予定。

230322adobefirefly_01

実際に使う場合、まずAdobe Fireflyのサイトでリクエストを申請しておきます。

現在のAdobe Fireflyで使える機能は、テキストからの画像生成テキストのエフェクト生成の2種類。Coming soon機能として、ベクターデータの再配色もできるようになるっぽい。

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生成された画像の一例はこんな感じ写真風、アート風、グラフィック風といったスタイル自体の変更もできます。できることは既存の画像生成AIと同じですが、著作周りがクリアなので企業にとっても使いやすいですね。

クリエイターファーストなAdobeの姿勢

Adobe Fireflyで生成された画像には、AIで作られたことを示すコンテンツクレデンシャル(資格)が自動添付されます。こうしたコンテンツそのものの著作の在り方について、Adobeとしては透明性を重視しているみたいですね。

例えば、自身のコンテンツをAI学習に使ってほしくない場合は「Do Not Train」タグを付けられるようにしたり、逆に学習ソースとなるコンテンツを作っているクリエイターに報酬が発生する仕組みも検討してるみたい。

ゆくゆくは動画やベクター素材もAIでチョチョイと編集

今はベータ版ですが、いずれはAdobe製品内にAdobe Fireflyが統合される予定。例えばIllustratorなら撮影した手書き文字をベクターデータ化&他パターンを提示したり、Premiere Proなら動画の景色を春から冬に一変させたり、Substance 3Dならテクスチャを一発で変換したりといったコンセプトが提案されています。全部すごい便利そう…。

また、権利関係や報酬系の仕組みもまだ完全には策定されていません。例えばAdobe Fireflyで生成した画像をフォトショで加工した場合、来歴は残るけど権利はどこになるのか? そうしたコンテンツの商用利用はどこまで許されるのか? 自分でカスタムしたAIモデル自体の譲渡や販売は?

このあたりはベータ版で詰めていくところでしょう。画像生成AIに一石を投じるAdobe Firefly、正式バージョンのリリース日は未定です。AIコンテンツの著作についてもそろそろハッキリさせる時期が来ていますね…!

Source: Adobe Firefly