絵のシュールさではAIに負けてない自信あり。
ChatGPTが彗星(すいせい)のごとく登場してからというもの、AIが生み出した画像や文章を避けるのはますます難しくなってきました。
そんな中、ストックフォト企業のShutterstockは先月、有料ユーザー向けにAIが生成した画像をストックに追加しただけにとどまらず、検索結果に応じてAIが画像をつくるツールをリリースしました。
私は毎日のように気候変動についての記事を書いていますが、記事に使う画像選びって難しいんです。山火事の画像にする? それとも海氷が解けた写真を使うべき? 海面や平均気温の上昇を伝えるのにベストな画像は…? など、迷いまくりです。
グリーンエネルギーへの転換だったら、お決まりの風力タービンや太陽光パネルなんかはまだマシな方で、それ以外はもうインパクトのない地味な画像ばかり。
以前、再生可能エネルギーの写真を探す際の苦労と、予想外のセクシーな発見を記事にしたときには、人間だってAIに負けないくらい奇妙な画像をつくれるってことを学べました。
AIに仕事を奪われるのは時間の問題、いや、もうはじまっていますが、本格的になる前にAIの欠点や奇妙な画風を笑い飛ばしちゃえってことで、ShutterstockのAIがつくったヘンテコな気候変動の画像を一緒に見ていきましょう!
気候変動に破壊された悲しい地球

まずは、成功っぽい例からいきましょう。といっても不気味です。燃え盛る北米(近年の山火事を見ると正しい)。南米は原形をとどめているものの、それ以外はグダグダ。
でも、AIがつくったと即バレしそうな感じはしません。AIだったらもっときっちりつくってくれそうなイメージじゃないですか? 「気候変動に破壊された悲しい地球」という画像の説明通りといえばそうかも。
悲しき産油国

パリ協定の目標(限りなく1.5度に近い2度未満)を達成しなければやってくるであろう「終末的な未来」を描いた画像がかなりたくさんあるようです。こちらは「気候変動に直面する産油国の3D画像」と題されています。太陽の手前のラクダのこぶみたいなシルエットがなんなのかわかりませんが、これは買いかも。
食料安全保障と気候変動

さて、だんだんわからなくなってきました。サハラ砂漠の周辺、干ばつにあえぐサヘル地域のような印象を受けましたが、これは「食料安全保障と気候変動の3D画像」なのだそうです。
なるほど。砂漠に刺さるシナモンスティックと、横たわるソーセージに見えなくもない…かも。
Clinel Crnge(Climate Changeのなり損ない)

気候変動関連のストック画像には、抗議デモの様子や、デモで掲げるプラカードがたくさんあるんですけど、どうやらShutterstockのAIは、画像内の文字を認識するのが苦手みたいです。
気候変動について何かを訴えているんだろうなという想像はできますが、「CLINEL CRNGE」なんて、スペルチェックに引っかかりまくりです(絶対「CLIMATE CHANGE」の間違い)。もしかするとAIにしかわからない言語なのか?
GLANING!(マジで意味不明)

この画像につけられているAIの説明は「地球温暖化は、人間活動によって大気中に放出された温室効果ガスに閉じ込められた熱が気候パターンを変化させることで起こる世界平均気温の緩やかな上昇」なんですけど、「Glaning」も「4G」を含む数字もちょっとなんのことかわかりません。
とりあえずみんなでGlobal GLANINGを止めましょう! マジレスすると、「Blazing(真っ赤に燃え上がる)」だったら通じるかなという気はします。AIさんに聞かないとわかりませんけどね。
太陽からエネルギーを生む風力発電

もっと具体的なテーマを決めてあげればAIが画像をつくりやすいんじゃないかと思って、「再生可能エネルギー」をお題にしてみました。
すると、この「現実世界における再生可能エネルギーの芸術的イメージ」を含むなかなかいい感じの結果を得ました。照りつける太陽の光を浴びて発電する風力タービン。なんてすてきな発想なんでしょう。
風力発電と女性

風力タービンと風景はいいとして、女性のメイクも遠近感も、左端の赤いLPレコードみたいなのもなんなのかもうさっぱりわかりません。たぶん太陽のような気がしますが、女性を迎えに来たUFOの線も捨てきれません。
気候変動の抽象的イメージ

最後を締めくくるのは、「気候変動の抽象芸術」と題された3D画像です。これはいったいなんなのか、誰か教えてください。