毒グモ・ブラック・ウィドウが他の毒グモに食べられて全米で減少中

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  • author Isaac Schultz - Gizmodo US
  • [原文]
  • 岩田リョウコ
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毒グモ・ブラック・ウィドウが他の毒グモに食べられて全米で減少中
Image: Shutterstock

ブラック・ウィドウも負ける相手とは?

マーベル映画でもお馴染みブラック・ウィドウは、毒グモの「ブラック・ウィドウ(クロゴケグモ)」にちなんだ名前。北米に生息していてメスは黒と赤の砂時計のような模様が体に入っていています。そしてガラガラヘビの15倍の毒性を持つともいわれています。とにかく強く怖い毒グモです。

そんなブラック・ウィドウがなんとブラウン・ウィドウ(ハイイロゴケグモ)に食べられる現象が発生中。しかもブラウン・ウィドウはもともとアフリカに生息するクモ。でも現在は世界中に広がって生息するようになってきています。

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Image: Shutterstock
ブラウン・ウィドウ(ハイイロゴケグモ)

ブラック・ウィドウは怖い印象がありますが、実はシャイなクモで、触られた場合に自分の身を守るために攻撃的になります。でも、ブラウン・ウィドウはブラック・ウィドウを見つけると攻撃して殺してしまうようなんです。この現象について詳しい研究は学術誌「Annals of the Entomological Society of America」に掲載されています。

どちらのウィドウも毒グモで、人間が咬まれた場合かなりの激痛ですが死に至ることは稀です。庭の収納庫の中や家の流し台の下など陰になっているところに巣を張る場合もあるので、咬まれないように気をつけなければいけません。ブラウン・ウィドウはブラック・ウィドウのように毒を注射針のように注入することできないため、毒による危険はブラック・ウィドウよりは低いようです。

ブラック・ウィドウが減少中

北米のブラック・ウィドウがブラウン・ウィドウに捕食されて数が減ってきている理由として、ブラウン・ウィドウは元々北米には生息していないクモで、ブラック・ウィドウよりも生殖スピードが早い上に、産卵の数も多いからだと研究の著者は研究結果に記しています。だから自然とブラック・ウィドウよりも数が増えていくんですね。

そしてさらに興味深いことは、成体になる前の若いブラウン・ウィドウは、ブラック・ウィドウに出会うと80%の確率でブラック・ウィドウを殺して食べてしまうのです。実験を行なったところ、成体になったブラウン・ウィドウがブラック・ウィドウを殺して食べる確率は40%でした。対するブラック・ウィドウは、攻撃を仕掛けられた場合のみ自己防衛でブラウン・ウィドウを殺していて、その確率は30%だったそうです。ブラック・ウィドウから攻撃を仕掛ける姿は見られなかったとのこと。とにかくブラウン・ウィドウは出会ったら殺す!みたいな性格なのに対して、ブラック・ウィドウは仕方なく、という感じみたいです。なので、数が減っていることも納得できます。

研究の著者は、ブラウン・ウィドウの攻撃性によって実際どれだけのブラック・ウィドウが減っているのかを調べる調査が必要だと述べています。

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