情シスのみなさん、本当にお疲れさまです。
「#無情シスオブザイヤー2022」はもう見てくれました? これ、会社員経験がある人なら誰もが頷けて笑えて、ちょっとドキッとする動画になってるんですよ。
オフィスでのPC環境を整えてくれる情報システム部=情シスの方々から印象的なエピソードを教えてもらったこの企画で分かったのは、あらゆる会社でセキュリティ意識やITリテラシーの低さから、さまざまな事件・事故が起きていること。
そんな一般社員のしわ寄せがくるのが、情シスの方々なんですけど、彼らを助けてくれるのがギズモードではおなじみのインテルなんですよ。ビジネス向けに、PCの運用・管理を支援するさまざまな機能をインテルが定義した「インテル® vPro® プラットフォーム」を提供してくれています。
インテルが、どのようにITリスクと戦ってきたのか、どのように情シスを救ってきたのか、をインテル® vPro® プラットフォームの担当者の方に聞きに行ってきました。
想像以上にやばい、ITリテラシーと情シストラブル

インテル株式会社 インテル® vPro® プラットフォーム担当
坂本尊志さん
──「#無情シスオブザイヤー2022」では「セキュリティ的に特にひどい使い方をしているのが、会社の偉い人で指摘しづらい」という旨のコメントが印象的でした。インテル® vPro® プラットフォームの担当者として、そういう声はよく耳にするものですか?
あるお客さんから「インテル® vPro® プラットフォームを導入したい」というお話をいただいて進めていたのですが、その担当者さんはメモリを16GBにしたいと考えていたところ、決裁者から「4GBがいいんじゃないか」と言われたそうなんです。
──だいぶスペックダウンしてますね。
その理由を聞いたら「安い」というもの以外に「俺たちが経験した苦労を、若いやつらも一回したほうがいい」というのもあったそうです。
──(爆笑)。
いや、本当にそういうレベルなんですよ(笑)。
会社の経営陣は、故障などのトラブルでPCが止まってしまうことや、PCのスピード自体が遅いことによって、どれだけの逸失利益があるのかを意識すべきだと思いますね。今やお客さんとの初めてのミーティングをビデオ会議で行なうことも珍しくないですし、PCが止まることは電車が止まってしまうのと同等かそれ以上の損害ですから。

──たしかに。
主要なWebサービスに障害が起きると、それだけでテレビのニュースになる時代ですからね。
──インテル® vPro® プラットフォームはそんな現代において、インテルが考える理想のビジネスPCの一つの形ではないかと思います。どういったところにポイントが置かれているのでしょうか?
やはりPCというのは、常に快適に使えなくてはいけません。そのためにまず重視しているのが「可用性」と「生産性」です。また重要な情報を扱う端末ですから、常に管理されていないといけません。そこで「管理容易性」と「セキュリティ」を加えた、合計4つのポイントを重視しています。
ビジネス用PCを高次元で構成する4つの要素

──「可用性」とは?
「可用性」とは、PCが止まることなく常に使えるということですね。
インテル® vPro® プラットフォームのPCは、基本的にインテルが指定した型番の部品を組み合わせていただくようPCメーカーさんにお願いしているため、何らかの問題があった際にもより早く問題を検知・特定できる可能性が高められています。
──「生産性」とは性能のことですか?
そうです。近年はビデオ会議の需要によって、PCに求められるスペックが高くなりました。
もっと言えば、10数年前にはビジネスPCでYouTubeを観たり、そこにアップする動画広告を編集したりすることなんて考えられなかったわけです。時代によってPCに要求されるパフォーマンスの量や質は変わってきますから、インテル® vPro® プラットフォームはそうしたトレンドにしっかり追随できるスペックを常に考えています。

──では、自分のPCがインテル® vPro® プラットフォームの製品だった場合、高性能なものをもらっていると考えていいのでしょうか?
はい。インテル® vPro® プラットフォームは高性能なCPUを積んでいる上位機種の証でもあるので、「会社がお金をかけてくれている」と考えていいんじゃないかと思います。
──続いて「管理容易性」とは?
情シスなどの管理者が常に会社支給PCを管理できるということですね。
インテル® vPro® プラットフォームのPCは、OSが動作してない状態、つまりスリープしてても管理できるように作られています。
最近はリモートワークも珍しくありませんが、社員が自宅のWi-Fiルーター経由でPCを使っていても、そのPCがどんなIPアドレスから接続しているのかを把握することもできるようになり、インテル® vPro® プラットフォームの強力なリモート管理機能が使えるようになりました。
──それによって、具体的にどのようなメリットがあるのですか?
「業務時間外のソフトウェアアップデート配信」です。これはインテル® vPro® プラットフォームをお求めいただく理由として、今も昔も最も多いものです。
10年ぐらい前までは「今日は営業チームのPCのアップデートをするので、絶対にPCの電源を落とさないでください」なんて情シスからメールが配信されることが珍しくありませんでした。でも、大抵の営業さんはそういうメールを見てないので電源を落として帰宅してしまう。
すると、情シスの若者が泣く泣く夜中にその人のデスクまで行って、PCの電源ボタンを押していたんです。

──うわ〜、それはつらいですね。
10万台を超える規模でPCをお使いの企業さんもたくさんいらっしゃいますからね。
──10万台……。その10%だとしても1万台の電源ボタンを押すのはキツい。というか無理ですね。
ですよね。でも、インテル® vPro® プラットフォームを使えば、遠隔でPCを立ち上げられるので、あとはパッチを流しておしまいになるんです。これが非常に効率的ということで、今でも重宝していただいています。
──インテル® vPro® プラットフォームの4つ目のポイントは「セキュリティ」でしたが、「管理容易性」はそことも繋がっているわけですね。
そうです。どんなに技術が進んでも、結局はOSやアプリケーションが最新になっていないとセキュリティの穴が開いてしまいますからね。
セキュリティはよくダムに例えられるんですけど、低いところから全部流れていくからなんです。つまり、弱いところが一つでもあれば、そこから侵入されてしまう。
それを塞ぐためにはOSやアプリのバージョンは非常に重要です。

──他にも「セキュリティ」面でインテル® vPro® プラットフォームならではの特徴はありますか?
TDT(スレット・ディテクション・テクノロジー )と呼ばれる、マルウェアをスキャンする仕事をGPU側に振ってやる仕組みですね。
通常、ビジネスPCの作業負荷はCPUに掛かっていることが多いので、CPUではなくGPU側でスキャン処理を行なうんです。これによって普段の仕事に影響を及ぼすことなく、怪しいマルウェアを見つけられるようにしています。
他にも、最近のPCにはAIのアクセラレータ(AIの能力を伸ばす周辺機器)が載っていることが多いので、それを活用するようにもなっています。「危険リストには載ってないけど、このプログラムって怪しくない?」という判断がAIは得意ですので。
──すでにAIまでセキュリティ対策に活用されているんですね。
はい。インテル® vPro® プラットフォームはもう17年目で、インテルが提供する製品の中でもこれより長く続いているものはないくらいです。
そしてその基本的な機能は10年以上前に出揃っていて、それを熟成する方向で進んでいるのですが、やはり最近はセキュリティが重視されるようになってきていますね。
セキュリティリスクとの戦いは終わらない

──セキュリティリスクとはよく言われますが、実際に事件が起こるとどのような被害があるのでしょうか?
最終的には会社の存亡に関わる問題につながります。
──つまり、会社が潰れてしまうわけですね。
情報漏洩は古くからある問題ですが、最終的には金銭で解決するしかないんです。そのため流出した情報の規模が大きくなると、どうしても経営に関わってきます。
さらにネットワークもCPUも年々速度が速くなり、ストレージ容量もどんどん増えていますよね。ですので、かつては数時間かかっていたセキュリティ被害も、今では本当に瞬時に犯行が行なわれてしまうんです。

それにPCの重要性自体が増し続けているので、攻撃への工夫もどんどん進んでいます。やはりセキュリティは常にアップデートが欠かせないポイントです。
──なるほど。
とはいえ、金融情報はお金で弁償すれば済むところではあります。
けれども、今後は生体情報に関わるデータが扱われる社会になっていくのは間違いありません。そうなるとお金で済む話ではなくなってしまうので、よりセキュリティについてはシビアになる必要があると思いますね。
みなさん、本当にお気をつけください。
インテル® vPro® プラットフォームが生まれた理由、それは私たちを守るため
どんな業界だろうと、情シスの皆さんは常に最前線。
そうなんです。軽い気持ちでお話を聞きはじめたところ、だんだん会社員時代にお世話になった情シスの皆さんの顔を思い出し始め「あの時はごめんなさい!」という気持ちになってしまいました。
「当たり前って、当たり前じゃなかったんだ」。
インテル® vPro® プラットフォームは、チップはもちろん、PC全体のハード、ソフトについてインテルの手が入っており、ビジネスに必要な性能とセキュリティを高い次元で融合させた規格ですが、それだけではありません。
情シスを膨大なユーザーサポート的業務から解放し、本来の仕事へのフォーカスを手助けしてくれるプラットフォームなのです。
Source: インテル