怒らせたらダメな相手よ。
世界最大の仮想通貨取引所、バイナンスが怒っています。激怒の理由は、バイナンスのソースコードをネット上に流出させた輩がいるから。コードリーカー許すまじ、絶対に見つけ出すと怒り狂っています。
怒りつつも冷静・適切に、4月7日、リーカーを見つけ出すためにGitHubへの召喚令状を求め、裁判所に申請を行ないました。
著作権のあるコードが流出
ソースコードのリークに気がつき、第一報を報じたのはThe DeskのMatthew Keys氏。
裁判所に提出された申請書に記されたメールのやりとりによれば、リークに気づいたバイナンスは「Bonald」というユーザーが著作権のあるコードを流出しており、デジタルミレニアム著作権法違反の疑いがあるとして、3月、GitHub(Microsoft傘下)に連絡。
これに対し、GitHub側は、該当データはすでに非公開になっていると回答。
メールのやりとりに記載されていたリンクのGitHubページはすでになくなっており、また、申請書にあるGitHubのBonaldのアカウントにもバイナンスを示唆するコードは残っていません。
Bonaldアカウントはフォロワーも少なく、また昨年後半から何もポストされていない状態。ゆえに、バイナンスのソースコードの何がどれだけ流失したのか、(ページ削除前に)どれだけの人がそれを見て、ダウンロードしたのかは、現段階で我々が知る術はなし。
今回、バイナンスが裁判所に申請している召喚令状では、ユーザーネームBonaldの本名、住所、電話番号、Eメールアドレスなど、個人を特定できる情報の提出を求めています。
バイナンスは、このコードリークについて公式にはコメントしておらず、現段階ではまだ召喚状も許可されていません。米Gizmodoが取材を求めたところ、バイナンス、GitHubともに回答なし。
リークは許さない!
リークの規模がどれほどのものだったのかはわかりませんが、ひとつ確かなことは、バイナンスはいかなるリークも許さないということ。
仮想通貨はハッキングの脅威と常に隣り合わせであり、2023年1月から3月の間だけでも、数百万ドルの被害がでています。先月には、1億9700万ドルという大金が、Euler Financeから流出(強奪)されています。
DeFi(Decentralized Finance:分散型金融)を狙ったサイバーハックは年々増加しており、バイナンスも常にターゲットとなっています。
バイナンス役員を装ったディープフェイク詐欺も発生。昨年10月には1億ドル規模のハッキング被害を受けました。
仮想通貨市場の守りは、年々さらに強化していく必要があり、甘っちょろい対応は火に油。徹底的にやってこそでしょう。
ソースコード流出に神経を尖らせるのは仮想通貨企業に限ったことではありません。先日、Twitterもソースコードのリークについての召喚状を裁判所にもとめ、これを許可されています。
悪意あるリークはもちろんですが、AIとのおしゃべりで意図せずリークしてしまう問題もあり、企業が監視を高めるとともに、いち個人も姿勢を正す必要があります。