New York Timesによると、Google(グーグル)は「Magi」というプロジェクトを進めているそうです。その目的は、Googleの検索エンジンにAIチャットボット機能を追加すること。
先日、GoogleのCEOであるスンダー・ピチャイ氏もこうした計画があると発言しましたが、今回もGoogleの広報担当者から「AI機能を検索にもたらすことについて、近々詳細を伝えられる」といった発言があったそうです。
急ピッチで開発を行なっているようで、公開は来月と見られています(後述しますが、日本ではすぐに利用できないかもしれません)。5月10日には開発者向けイベント「Google I/O」が開催されますから、そこで正式に発表されるのかも。
スマホメーカー・サムスンの動向が影響か

Googleが開発を急ぐ一因は、韓国のスマートフォンメーカー「Samsung(サムスン)」にあるとのこと。
サムスンはAndroidスマートフォンの最大手、同社のスマートフォンではデフォルトの検索エンジンはGoogleになっています。ところがサムスンは今、検索エンジンをMicrosoftの「Bing」に乗り換えることを検討しているというのです。BingはChatGPTと統合されており、既にAIチャットボット機能が利用可能だからでしょう。
この情報が入って、Google社内はパニック状態になったとか。検索サービスはGoogleのビジネスの根幹、そこで後塵を拝すれば収益が失われることになります。
「Googleはサービスの価値を維持できるのか?」が焦点

New York Timesの記事によると、MagiプロジェクトによってGoogleの検索エンジンと会話でやりとりができるようになり、プログラムコードも書けるようになるようです(Bing同様に、回答の下部には広告がつくとも)。GoogleがMagiプロジェクトを急ぐ理由は明らか、先行するBingに追いつき、「Googleの検索エンジンを使う価値」を担保するためです。
「GIFI」というAI画像生成ツールも開発中だそう(Bingには既にそういった機能が実装されていますが…)。
Google EarthやGoogle MusicにもAIチャットボット機能を追加する意志もあるようです。こういったアプリ群にもAIが統合されれば、Google独自の価値になりそうではあります。
日本でいつ使えるようになるかは不明
Googleの検索エンジンにAIチャットボット機能が実装されるのが5月とされていますが、ユーザーには段階的に・米国から開放されるようです。初回のローンチ時に米国内で100万人までが利用でき、年末までに3000万人が利用できるようになる、といった感じだそうです。日本で5月から利用可能…とはいかないかもしれないですね。
ジェネレーティブAIによってGoogle一強状態だった検索が変わるのでしょうか?
Source: New York Times via 9to5Google