M2のMacBookが売れなくて、M2の製造ボリュームを半分にしたとされるApple(アップル)。
調査会社IDCから日曜、具体的な販売台数の減り具合を記した業界レポートが公開されました。
なんと出荷台数4割減
それによると、今年第1四半期は大手パソコンメーカーはどこも軒並み低迷しましたが、なかでも減産が顕著だったのがMacBookを含めたMacファミリー。その法人・個人向けを含めた出荷台数は、昨年同期の690万台から40%以上減って410万台止まりとなりました。
パソコン市場に占めるMacのシェアも、8.6%から7.2%に落ち込んだ模様です。この数字は、今年に入って1、2月にM2シリーズの全プロセッサの製造にストップをかけ、3月から半分の減産体制に入ったという前回の報道とも合致します。
スマホとタブレットで事足りる時代に入って、パソコン離れが進んでいるのは、ここ10年くらいPC業界全体を覆っているトレンドです。
コロナのリモートワーク需要で飛ぶように売れたAppleが、パンデミックの終息とともにガックーンと減るのは、これ、自然の摂理でもあります。4割を超えるほどではないにしても、今年第1四半期はDellもHPもASUSもLenovoも、25%近くかそれ以上販売台数が目減りしています。
米GizmodoはAppleにコメントをリクエストしましたが、Appleからの返答はまだです。
世界的なPC需要減
2月にLuca Maestri最高財務責任者(CFO)が投資家向けの説明で明らかにしたところによると、今年に入って「MacもiPadも売上は前年より2桁減って」いるそうです。
その理由として考えられるのは「マクロ経済の逆風」と、M2搭載MacBookのリリースを襲った前モデルにはない「難しさ」だというお話でした。
パソコンの需要がコロナ前の水準に戻っただけだというのはIDCも念押ししていることですが、それにしても2018年、2019年の第1四半期の売上をも随分と下回るとは厳しいものがありますね。
レポートではサプライチェーンで製造が追いつかなかった点にも言及し、これを機にAppleをはじめとする企業は、中国から生産拠点を一部海外に移転するのではないかと予測していますよ(WSJからの取材に答えたアナリストも同じような見解)。
レイオフ禍のシリコンバレーにあって、社員は極力クビにしない方向で踏ん張ってるApple。事業統合化で人員整理したのはストア建設保守担当の部門と一部管理職だけです。
BloombergのMark Gurman記者が報じた近況によれば、目下の悩みはAppleストア従業員による組合結成らしく、全米270のAppleストア店長が従業員を集めて組合結成のリスクを説明したりの妨害工作をしてるみたい(組合を結成した2つのストアは新しい福利厚生カットで専門家から非難轟々。アトランタやNYのAppleストアでは従業員に組合阻止決起集会への出席を強要したと全国労働関係委員会[U.S. National Labor Relations Board:NLRB]に問題視されている)。
こちらについてもAppleにコメントを求めましたが、まだ回答は得られていません。