音楽にはウォーターマークつけられないよな…。
音楽業界最大レーベルのひとつであるUniversal Music Group(ユニバーサル・ミュージック・グループ。以下「UMG」)が、AIに音楽を盗用されるんじゃないかと懸念を強めています。
AIによる音楽盗用の可能性
Financial Times(フィナンシャル・タイムズ。以下「FT」)が入手した電子メールによると、UMGは、AI企業がボットに楽曲を作らせるためにアーティストの音楽を学習させたり、データを収集させることを懸念しており、SpotifyやApple Musicなどに対し、AIによる音楽へのアクセスを制限するよう求めています。
テイラー・スウィフトやハリー・スタイルズら大物ポップスターから、CHVRCHESやClairoのようなインディーズまで幅広いアーティスト抱え、音楽産業BIG3の一角を誇るUMG。2022年末時点では、市場シェアの3分の1以上を占めています。
UMGは3月、FTが入手した電子メールの中で、不特定のストリーミングサービスに対して次のように記しています。
私たちは、当社とアーティストの権利を守るための措置をとることをためらいません。
UMGは、この件に関して米Gizmodoからのコメント依頼には応じていません。
「労力」がオリジナルと盗用の境目?
AIブームが加速する中、生成型AIによるアートも急増しています。
Adobe(アドビ)のFirefly、Runway(ランウェイ)のGen-2、OpenAIのDALL-E 2などによって、AIがテキストから動画や画像を簡単に生成しちゃうことが証明されました。
でも、こういった生成ツールには問題もあります。
ほかのソースで著作権保護されているかもしれない既存の素材を拝借して、オリジナルアートのように見せかけてしまう傾向があるんです。
この倫理的ジレンマの問題は、3月にアメリカ著作権局が人間のクリエイターが相当な労力を費やしたことを証明できた場合に限って、AIアートの著作権が保護されると明確にしたことでクローズアップされました。
AIによる動画や画像生成に関する議論はこれまでにも行なわれてきましたが、音楽生成はまだ比較的新しい技術応用例といえます。
Googleは、DALL-E 2と同じように、テキストの説明文から音楽を生成するAIを開発していますが、公開する予定はないとしています。
AIとは共存するしかないと思うのですが、カオスになる前にまずはあらゆる分野でルール作りが必要なのでは?