スマホにPCにタブレット、3台あっても自動切替できるイヤホン

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  • author 三浦一紀
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スマホにPCにタブレット、3台あっても自動切替できるイヤホン
Photo: 三浦一紀

音質派は要チェック。

本日5月29日、パナソニックが手掛けるオーディオブランドTechnics(テクニクス)が完全ワイヤレスイヤホンの最上位機「EAH-AZ80」とハイエンド機「EAH-AZ60M2」を発表しました。

EAH-AZ80は「EAH-AZ70W」の後継にあたり、最上位機種としては3年ぶりのアップデートとなります。振動板の素材が変わってさらに高音質化、形状も装着しやすいものに変わりました。また、業界初の3台のマルチポイント接続に対応し、利便性も頭一つ抜けています。

1. 振動板にアルミニウムを採用して高音質化

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EAH-AZ80は完全ワイヤレスイヤホンとしては大きな10mmドライバーアルミニウム振動板を搭載することで、有線イヤホン並みの高音質を実現しています。

実際に音を聞いてみると、低音から高音までクリア。ちょっと次元が違うというか、聞いた瞬間に「おおおおおお!」と思わず声が漏れました。

開発者の方の話によると「演奏者や録音エンジニアの出したい音を、そのまま再現すること」を念頭に置いて開発したとのこと。その通り、かなりリアルな音です。

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特にアルミニウム振動板がポイント。振動板は音質を左右する重要なパーツ。完全ワイヤレスイヤホンでは樹脂製のものが主流ですが、アルミニウムは剛性が高くたわみが少ないため、よりきめ細かいクリアな音質になります。

また、イコライザーなどのデジタル処理だけではなく、イヤホンの構造を見直すことで、デジタル+アナログの両面から高音質を実現しています。

これはもう、聞かないとわからないんですけど、一度聞けば「高音質!」と実感できるレベルで高音質です。すごい。

2. ハイレベルなノイキャン性能は健在

ノイズキャンセリングはイヤホンの外側・内側に配置されたマイクを使用する「デュアルハイブリッドノイズキャンセリング」という機構を引き続き搭載。

外部からのノイズはデジタル処理で消しますが、内側のノイズは遅延の少ないアナログ処理で消しています。これにより、より自然にノイズを抑えることができます。

実際に聞いてみましたが、やっぱりすごい。

3. 新形状で安定した装着感

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装着感に関しても抜かりありません。「EAH-AZ80」では新形状の「コンチャフィット」を採用しています。

このコンチャフィット、イヤホンの下側がちょっと膨らんでいて、耳の下側のくぼみ(耳甲介)にフィットするようになっています。

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尖った部分が口の方に向くように装着するのが正解

これにより、耳の穴の部分でイヤホンの先端を支える必要がなくなり、より自然にフィット。長時間着けていても負担が少なく快適、かつ少々頭を動かしてもずれたり落ちたりすることはありません。

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開発時は実際に多数の耳型を作ってイヤホンの形状を試行錯誤していたという。

イヤホンのフィット感は、音質にも直結しているので、とても重要なんですよね。

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試作したイヤホンのモックたち。

これまでワイヤレスイヤホンが耳に合わないなと思っている方でも、「EAH-AZ80」ならフィットするかもしれません。

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7種類のイヤーピースが付属。フィット感へのこだわりが感じられる。

4. 業界初の3台マルチポイント接続

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「EAH-AZ80」は、3台のデバイスにマルチポイント接続できます。今までは2台までが主流だったので業界初です。

マルチポイントとは何か。たとえば、PC、スマートフォン、タブレットとペアリングしておけば、音の再生や通話をはじめた端末に自動的に接続が切り替わるんです。PCでオンライン会議をしているときに、スマートフォンに電話がかかってきてもイヤホンをワンタップするだけで会議から電話に切り替えることができます。電話も会議も終わってタブレットで動画を見たくなったら、タブレットで再生ボタンを押すだけで自動的にイヤホンがタブレットにつながります。

いちいちBluetoothのメニューから操作する必要がないので快適です。

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なお専用アプリで、デバイスを切り替えたときに音声でお知らせしてくれる機能を使うことができます。これを有効にしておけば、今自分がどのデバイスと接続しているのかがわかりやすくていいですね。

5. 声だけ届ける技術「JustMyVoice」がすごい

最近の完全ワイヤレスイヤホンは、マイク性能も重要なポイント。「EAH-AZ80」はその辺りも抜かりありません。

独自の通話音声処理技術「JustMyVoice」テクノロジーが進化。これは自分の声だけを相手にクリアに伝える技術ですが、今回は風の強い環境下でも、声だけがしっかり聞こえるようにチューニングされています。

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実際にブースを使ったデモンストレーションを見たのですが、強風にしてある扇風機の前で通話をしても、風切り音はほとんど聞こえず、声だけがクリアに聞こえてきました

ちなみに、「JustMyVoice」をオフにすると風の音だけで人間の声はほとんど聞こえない状態。この技術の精度の高さが実感できました。

高音質で装着感がよくて、マイク性能も高い。正直、死角がない完全ワイヤレスイヤホンという印象。

イヤホン・ヘッドホンは音質重視な僕ですけど、音質以外の部分でもかなりハイレベルに仕上がっていて、正直喉から手が出るほど欲しいと思っています。

弟分も上々の仕上がり

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同時に発表された「EAH-AZ60M2」は、現在発売されている「EAH-AZ60」の後継機種。

こちらは8mmドライバーにバイオセルロース振動板を採用し、イヤホン本体の形状は従来モデルと同様。

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こちらはコンチャフィット形状ではない。

それ以外のノイズキャンセリング性能や3台マルチポイント接続、「JustMyVoice」テクノロジーなどは「EAH-AZ80」と同性能という、コストパフォーマンスに優れた機種となっています。

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日常的に気軽に使いたいというのであれば、「EAH-AZ60M2」も選択肢になります。音質面は少々「EAH-AZ80」よりも落ちる印象ですが、比較しなければ十分高音質ですし、その他の機能的には上位モデルとほぼ一緒です。

発売日と価格

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両機種とも、発売は6月15日の予定。市場想定価格は「EAH-AZ80」は3万6600円前後、「EAH-AZ60M2」が2万7700円前後です。

イヤホン・ヘッドホンの好みは人それぞれだと思いますが、僕はクリアで高音から低音までしっかり出ているのが好み。実はTechnicsのイヤホンはドストライクなんですよね。

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音質重視の方も、普段使いの機能面重視の方でも満足できる製品だと思いますので、興味のある方は発売されたら店頭などで試聴することをオススメします。

特に音質と装着感は、実際に体感しないとわかりませんしね。ぜひお試しを。

Source: Technics