ゲームジャンルは「ストリートファイター」。
いよいよ2023年6月2日、対戦格闘ゲームの大ムーブメントを作り上げた「ストリートファイター」シリーズの最新作である『STREET FIGHTER 6(以後スト6)』が発売されます。
ストリートファイターシリーズでは実に7年ぶりの新作ということで、否応なしに期待が高まります。僕も体験版やベータテストなどで、ほんのちょっぴりですけど触ってみたんです。
その最初の感想が、「これ、本当にストリートファイターなの?」でした。
いや、良い意味です。めちゃくちゃポジティブな意味で、古来からの対戦格闘ゲームというカルチャーやお作法、その中で生じていた課題が見直されているなぁ…って。
1.格ゲー難しいよね!を取っ払うための風が吹いた

まず、コンボを覚えてから出直してこい。
という格ゲー特有のハードルの高さを取っ払おう。という強い意志を感じました。
そもそも、格闘ゲームのハードルが高いと感じられる原因のひとつに「操作の難しさ」があります。プレイしようと思って触ってみても…
「キャラを動かしたい」「必殺技を出したい」「かっこいいコンボを決めたい」
といったステップを踏まないと、思い通りにキャラクターを動かすことができません。これはゲームの面白さを発見する以前の話しで、プレーヤーにとってはストレスになってしまうわけです。
ボタン1つで波動拳!#ストリートファイター6
— ストリートファイター / STREET FIGHTER (@StreetFighterJA) May 29, 2023
「モダンタイプ操作」実践映像【リュウ編】🎥
波動拳
アシストコンボ▶️真・昇龍拳
を繰り出すところを実際のコントローラーを使ってお届け👏https://t.co/FfinRCug13#スト6pic.twitter.com/1F8LvZhDbe
この課題を解決すべく、スト6では古来よりのコマンド式入力に加えて、スマブラのようにワンボタンで必殺技が出る「モダン」。ボタンを連打していれば、それっぽくかっこいい攻撃を繰り出してくれる(飛びからのコンボすらやる)「ダイナミック」などの操作モードが選べるようになっています。
格闘ゲームという歴史の中に、アクションゲームの良いところ、スマホゲームの良いところなどを積極的に取り込んでいるので、初めてストリートファイターに触れる人でも「楽しい」を感じるまでのラインが大きく下がっていると思います。
また、操作系に関しては、アーケードコントローラー(いわゆるアケコン)は必須ではありませんね。操作モードによってはゲームパッド(PS5コン)で遊んだほうが強いのでは?までありそうです。
しかし「ザンギにワンボタンスクリューを与えて良いものだろうか?」 は本当に疑問である。
2.ジャンルは「対戦格闘ゲーム」ではなく、「ストリートファイター」
そもそも、僕らは「格ゲー」というジャンルの定義を考え直さないといけないかもしれません。
これまでの格ゲーは「さぁ、戦え。人と人とで殴り合え。俺より強いやつを探せ、そいつを倒せ」で虎の穴に突き落とされた対人戦がメインコンテンツ。
古の対人格ゲーはアーケードから始まったので、家庭用でも当然のごとく対人戦がメインだったわけですが、スト6では、このコンセプトが大きく変わっています。
#スト6 ×「恋しさと せつなさと 心強さと 2023」篠原涼子 with t.komuro
— ストリートファイター / STREET FIGHTER (@StreetFighterJA) May 31, 2023
TVCM放映開始📺
新たなストリートファイターで、広がる世界へ旅に出て、世界中のプレイヤーと楽しもう🌏
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アバターを操作して世界を探索できるストーリーコンテンツが用意されていたり、ヴァーチャルゲーセン(バトルハブ)で、他のユーザーとコミュニケーションを図りながらワイワイとゲームを楽しむこともできます。
よって、「勝ち」「負け」にこだわる対戦は、ストーリーで満足したりスキルを身に着けた人に向けたエンドコンテンツという位置なのかもしれませんね。
とはいえ! ポイントの増減があるオンラインのランクマッチもあります。僕みたいに殴り合いの好きな方はストーリーはほどほどにして、進んで虎の穴に居座ってもOKでしょう。
スト6の世界を楽しんでもよし、オンラインゲームとしてのコミュニケーションを楽しんでもよし、そして誰よりも高みを目指してもよし。
これは「対戦格闘ゲーム」という枠組みではなく、人それぞれの「ストリートファイター」のスタイルを楽しめるゲームだと感じました。
3.設定項目が柔軟でさまざまな調整ができる
一方で、「対戦格闘」をいかにして広く届けるか? という点も抜かりがありません。
設定項目が非常に多く用意されており、アクセシビリティの良さは非常に現代的。設定を調整することで、ハンディキャップを持つ人もプレイしやすいゲームになっています。
その最たるものが、サウンドアクセシビリティ。「音」によって、相手との距離や位置、攻撃のヒットなどを知ることができるのです。
前作(ストリートファイターV)でも、全盲の方々が音だけを頼りに戦う大会「心眼CUP」なども開催されていましたし、心身にハンディキャップを持っていても、対戦イベントや大会へ楽しんで参加しているプレーヤーも数多く居ます。
今作ではより一層、楽しみたい!と願うすべての人にゲームの楽しみを届けたい。という思いが伝わってくるのです。
4.オンライン対戦では「設定を詰める」ことで勝ちやすくなりそう

この設定の多様さはゲームの間口を広げるのに効果的。一方で勝ち負けを気にする人にとっても「設定詰め」が関係してきそうな雰囲気も受けましたね。
ざっと調べただけですが…
操作:同時押しボタンの割当、離し入力のオン・オフ(マニアックだ…)
画面:画面の振動のオン・オフ、画面のHUDの表示オン・オフ、ゲージの表示位置
音響:ヒットSEの音量、足音SE音量、技のアクションの音量、相手との距離お知らせの音量、めくりヒットのSE、上中下段ヒットのSE、体力・SAゲージ残量通知のSE、ドライブゲージの状況通知SEなど
など、突き詰めたらちょっと有利になりそうな項目がありますね。
なので、「与えられた環境で戦いましょう」じゃなくて、自分の戦いやすい(勝ちやすい)設定を詰めるというカスタマイズ戦略が大事になってくるのかもしれません。
それこそ、ちゃんと音を拾えるゲーミングヘッドセットが有利! みたいな話しも? いや、今のところわかりませんけどね。あと、この設定周りのレギュレーションは、プロ大会シーンでどう影響するのか? が楽しみでもあり不安でもあります。
『STREET FIGHTER 6』から熱が伝わってくる。

今回、僕がスト6を遊べたのは、ベータ版とごく短い時間での体験版。
ゲームのほんの一欠片しか触れられていませんけど、丁寧に作られた世界から「多くの人にこの体験を届けたい」という開発者からの熱が伝わってきたんです。そしてそれは、これまでの格ゲーとは違う体験になるかも! を期待させるものでした。
ストリートファイターシリーズの満を持しての最新作、新しいストリートファイターのムーブメント『STREET FIGHTER 6』は6月2日発売。
PS5版、PS4版、XBOX SERIES X/S版、STEAM版などプラットフォームも広く設けられているので、お好きなところをどうぞ。
Source: カプコン, eSports World, YouTube( 1, 2), Twitter(ストリートファイター), Amazon