順当パワーアップ。
日本時間6月6日(火)午前2時から開催された開発者向けカンファレンス「WWDC23」にて、AppleのデスクトップPC、Mac Studioのアップデートが発表されました。事前予測ではMac Proにその座を譲ってStudioは1代限り、なんて話もありましたが、そんなことはなかったですね。
Mac Studioはパワフルなチップをコンパクトなボディに詰め込んだ、クリエイター向けのデスクトップPC。アップデートの内容はシンプルに搭載SoCのパワーアップです。M1 Max、M1 Ultraといったハイエンドチップが、そのままM2 Max、M2 Ultraに世代交代しました。
高速・大容量のメモリをチップに直結

AppleのMシリーズチップは無印→Pro→Max→Ultraの順でパワフルになっていきます。無印~Maxまでは少しずつコア数が増えチップが巨大化していくんですが、Ultraは「Maxのチップを2つ合体させる」という力技で大きく性能(と価格)がアップします。
新たに登場したM2世代のMax、Ultraは順当に処理性能がアップしており、M1世代との比較で25%~40%アップしているとのこと。
また、M1 Ultraは帯域800GB/s、最大192GBという大容量のユニファイドメモリを搭載できます。
このメモリはCPUとGPUで共用できるという特徴があり、そのおかげでM1 Ultra はGPUとしては異常な量のメモリが使えます。最近はAIや機械学習でGPUが大量のメモリを必要とするので、Appleからは機械学習に向いたチップである、というプレゼンもありました。
M2 Maxのスペック(最大構成)
12コアCPU
38コアGPU
16コアニューラルエンジン
最大96GBのユニファイドメモリ
M2 Ultraのスペック(最大構成)
24コアCPU
76コアGPU
32コアニューラルエンジン
最大192GBのユニファイドメモリ
映像処理のプロフェッショナルのために

とにかくパワフルなMac Studioですが、キーノートではとくに映像処理のプロに向けたアピールが並びました。M1 Ultraと比較して、映像処理ソフトDaVinciはビデオ処理が50%高速化、3DグラフィックソフトOctaneはレンダリング速度が3倍になり、動画なら22本の8K映像を同時に再生できます。
ディスプレイもPro Dispray XDR 6台を同時に表示できるので、ディスプレイの数が足りないなんてことはないでしょう。
M2モデルのMac Studioは本日より注文可能、M2 Maxモデルは29万8,800円、 M2 Ultraは59万8,800円からオーダーできます。
ちなみにM2 Ultraの高性能版に192GBメモリを組み合わせてた場合、ストレージ最小構成でも96万2,800円からになります。