文字どおり、次のステップへ。
ロボット掃除機とはそもそも、お掃除の手間を楽にしてくれるもののはず。でも、実際はヨチヨチ歩きの子どものように目が離せない存在だったりします。
その状況を解消するべく誕生したのが、家庭用ロボットメーカーMigo RoboticsのAscender。なんと階段を自分で上って、一段ずつお掃除してくれるといいますから、これはロボット掃除機業界のゲームチェンジャーになるかもしれません!
階段は「越えられないステップ」だった
はじめの頃、ロボット掃除機は「人間の代わりにお部屋をピカピカに」というほどの機能はありませんでした。
部屋の中をランダムに行ったり来たりして、時には壁にぶつかり、バッテリーの寿命も短く、吸引力もイマイチ。
しかしここ数年、そのどれもが大きく進化しました。今では障害物を巧みに避けながら部屋中を移動し、バッテリーが少なくなると自分で充電スタンドまで帰還。ダスト容器を空にして、機種によってはモップがけまでこなすように。
それでも、1階から2階に移動すること、もっといえば階段を上り下りすることはできませんでした。どれほど安全性の高いインテリジェンスやエッジ検出機能を搭載していても、階段という難関を乗り越えられずに壊れていった掃除機がいくつもあったのです。
ニョキッと伸びる足で段差をクリア
そんなロボット掃除の悲願を達成したのが、Ascender。製造したMigo Roboticsは自社サイトで、
Google(グーグル)、Boston Dynamics、ダイソン、Ecovacsの優秀な専門家がタッグを組み、業界にイノベーションを起こそうとしている。
と熱く語っています。こちらの機種、ゴミの吸引や床のモップがけが得意ですが、一番の売りはもちろんそこではありません。
通常のロボット掃除機と違い、Ascenderは階段にぶつかっても方向転換しません。その代わり、関節がついた足がグイっと伸びて本体を一段上に押し上げます。
そしてすぐに元のフラットな姿に戻り、涼しい顔で今上ったばかりの段を普通にお掃除。車輪は全方位対応なので、方向転換して転げ落ちることもありません。
この工程を、次の階にたどり着くまで延々と繰り返します。もちろん、同じように階段を降りることも可能。
細かい機能は未知数
Migo RoboticsのサイトにもAscenderの機能に関して詳細はあまり書かれていませんが、LiDARスキャナーを搭載して家中の部屋をマッピングしたり、掃除した場所を記録したり、「ここを掃除して」と言われた場所への最短ルートを考えたり、付属のモバイルアプリで立ち入り禁止場所を設定することができるようです。
バッテリー寿命や稼働時間については、「最大5,167平方フィート(約480平方m)の床を掃除できる」という以外にはわかりませんが、おそらく階段を上ったりすると早めに電池が切れると思われます。
現在クラウドファンディング実施中
Ascenderはまだ発売前ですが、Migo Roboticsのサイトで1口5ドルの予約兼クラウドファンディングを呼び掛けています。
出資者向けには希望小売価格(予定)1,399ドルよりも約400ドル割安の999ドル(約14万円)で製品を販売するとのこと。
商品が届くのは8月上旬の予定になっていますが、今のところ宣伝映像やサイトに掲載されているAscenderの画像は、見たところいずれもレンダリング画像。
クラウドファンディングへの出資にはリスクがつきものですから(まあ製造コスト全額出すわけではないですが)、Ascenderが実際に稼働している動画を見るまでは5ドルを大事にとっておいたほうがいいかも。
いずれにしても、近いうちに階段を上り下りできるロボット掃除機が市場に出るかもしれないのは、楽しみです!