知性を備えたロボットって身近にあったんだなぁ。
ロボット掃除機の代名詞的な存在である、アイロボット社の「ルンバ」。人間を床掃除というおっくうな作業から解放してくれる、革新的な掃除機です。
そのルンバのなかでも、最新のロボット技術を搭載した賢いハイスペックモデルが「ルンバ コンボ j7+」です。
こちら、床の上のゴミを吸い取る掃除機の機能に、モップによる水拭き機能をプラス。1台で掃き掃除+水拭き掃除をしてくれます。
もちろん、部屋の間取りを認識して効率よく掃除をする自動マッピングや、床の上の障害物を認識して適切な動作を行なう障害物回避機能といった最新機能を搭載。とにかく賢く頼りになるロボット掃除機なんです。
この賢さを支えているのが、AI。そう、今話題のAIです。
「AIが入ってるから賢いのかー」と思いますが、よく考えてみると、「なぜAIにそんな賢いことができるのか」という疑問も湧き上がってきます。そんな疑問を解消すべく、我々ギズモード編集部は、AIの専門家でもある、Turing(チューリング)株式会社のCTO、青木俊介さんにお話をうかがいました。
人間が目で世界を認識しているから
AIでも同じアプローチを
青木俊介(あおき しゅんすけ)さん

Turing株式会社の共同代表/CTO。カーネギーメロン大学で自動運転車の研究を行い、博士号を取得。『We Overtake Tesla』をミッションに掲げ、2021年にTuring株式会社を設立。日本発の完全自動運転車の実現を目指している。2023年には「THE 1st TURING CAR」を販売した。
ギズモード編集部(以下ギズ):とにかく賢いルンバ コンボ j7+なんですが、これって小さな自動運転車だと思うんです。AIが自分で状況を見て、判断して、掃除をする。
いま、自動運転のアプローチはレーザーを照射して距離や形を認識する「LiDAR」が主流だと思いますが、ルンバ コンボ j7+はカメラをメインにした画像認識をベースにしています。そして、チューリングさんもカメラによる画像認識をメインに自動運転車を開発しています。LiDARではなくカメラに注力する理由はなんでしょう。
青木さん(以下敬称略):人間をはじめとした多くの生物は、目で見たものを認識して、日常のほとんどの活動をこなせるように進化してきました。目はカメラと同じですよね。だから、カメラから入ってくる情報を適切に処理をして、AIで考えられるようにすれば、完全自動運転を実現できるという仮説のもとに、開発をしています。

ギズ:ルンバ コンボ j7+は、本体前方にあるカメラで障害物との距離を測ったり、マッピングなどを行なう「vSLAM」技術を搭載しています。この「vSLAM」とはどういう技術なのでしょうか。
青木:「SLAM」の正式名称は「Simultaneous Localization and Mapping」といって、簡単に言えばセンサーを駆使して自分の位置を推測しながら地図を作っていく技術です。これを、カメラの画像認識で行なうアイロボットの技術が「vSLAM」ですね。
ギズ:実際に青木さんにもルンバ コンボ j7+を使っていただきましたが、ルンバ コンボ j7+の「vSLAM」はどのくらいのレベルなんでしょうか。
青木:さすがにカメラ1台での「vSLAM」なので、できないこともあるのかなと思っていました。ですが、実際に使ってみるとかなりしっかりしたマップを作れていると感じました。
「vSLAM」によるマッピング精度はもちろん、製品のパッケージング能力が高いなと感じました。使い心地がいいんですよね。
画像から「周囲の状況」を理解する

ギズ:Turingさんでは、自動運転に画像認識をどのように活用しているんですか?
青木:カメラから取り込んだ画像を見て、その対象物の認識はもちろん、コンテキスト(意味)の理解にも取り組んでいます。
たとえば、人間は運転中にさまざまなことを考えていますよね。高速道路なら人は飛び出してきませんが、隣の車が車線変更してくるかもしれない、とか。そういう「いま自分がはこんな環境にいるから、ここに注意して運転しなければならない」という判断ができるAIの開発を進めています。
カメラを通して世界を認識することが、我々のAI開発戦略であり、方針です。

ギズ:ルンバ コンボ j7+は、本体底面にフロアセンサーものが搭載されています。これにより、床がフローリングなのかカーペットなのかを見分けて、掃き掃除と拭き掃除を自動で使い分けています。
青木:それは賢いですよね。ルンバで実現できているので、自動運転車でも路面状況を認識して運転状況を変えることはいずれできるようになると思います。

ギズ:カメラから取り込んだ画像から、AIはどうやって判断をしているのでしょうか。
青木:自動運転の話で言えば、これまで「こういう場面ではこういう行動をする」というルールを定義してAIに覚えさせていました。たとえば、「前方に歩行者がいたら止まる」「前方に自転車がいたらスピードを落とす」などです。
しかし、そうやってルールを作っていくと何万通りものルールが生まれてしまいますし、そうやってもルールで判断できない状況が残ってしまいます。なので、人間がひとつひとつルールを「定義」するより、AIに「判断」してもらったほうが高い精度に到達するのではと思っています。
ギズ:ルンバ コンボ j7+の場合、「障害物だからこのエリアは進入しないでね」とアプリから指示すると、次回から避けてくれたり、同じ部屋を繰り返し掃除すると、効率のいいルートを見つけて掃除時間が短くなったり、AIがどんどん賢くなっていきます。
青木:ルンバは、AIが賢くなるシステムを搭載しているところがすごいですよね。自動車の場合は、オープンな環境で、人の命にも関わってくるので、トライしづらい部分もあります。一方、ルンバのように、室内というコントロールしやすい空間で技術を成熟させていくのは、とてもいい方向に向かっているなと思います。
ギズ:実際にルンバ コンボ j7+を使っていただきましたが、どうでしたか?
青木:とても先進的なイメージがあるので、使いこなすのはたいへんかなと思っていたのですが、箱から出してすぐ充電して、アプリをダウンロードすればすぐ使えたので、まずそこにびっくりしました。説明書はほとんど読んでないんじゃないかな(笑)。
すごくユーザーのことを考えたデザインというか、購入した人が使い始めるまでがすごく簡素化されていて、使い心地がよかったですね。
タスクから解放されれば
楽しい人生が待っている

ギズ:ルンバの登場により、人類って床掃除から解放されたと思うんです。
青木:自動運転車も同じで、「運転」というタスクから人類が解放されます。
AIがどんどん進化していくと、人類は掃除や運転といったタスクから解放され、その分の脳のリソースをクリエイティブなものに使えるようになると思います。ルーティン化したタスクをどんどん自動化できれば、もっと楽しい人生、楽しい社会になると思います。
スマートな頭脳にふさわしい
スマートなハードウェア
青木さんが驚いていたように、ルンバ コンボ j7+には自動運転車のようなスマートな機能が搭載されています。
たとえばマッピング機能。カメラと複数のセンサーで室内の状況を認識し、効率のよいルートを覚えていきます。掃除を繰り返せば繰り返すほど、掃除ルートが効率的になっていくんです。
また、スマホアプリを通して、掃除をする部屋やエリアの指定をすれば、そこだけを掃除してくれるといった賢さも併せ持っています。
加えて、床にある障害物を認識して回避し、スマホアプリにレポートを送信。ここでユーザーは、その障害物がコードのようにいつもあるものなのか、一時的なものなのかを指定すると、次回からの掃除に反映されます。
コードなどはもちろん、ペットの排泄物も認識してくれるのは、画像認識のおかげですね。

もちろん、掃除能力もバツグン。3本のブラシを搭載したエッジクリーニングブラシが部屋の隅々までゴミを掻き出し、2本のゴム製デュアルアクションブラシで浮き上がらせ、パワーリフト吸引で微細なゴミやペットの毛なども根こそぎ吸い取ってくれます。

しかもクリーンベースに戻れば、ルンバ コンボ j7+本体内のゴミを自動で吸い取ってくれるので、ゴミを毎回捨てる手間がありません。最大1年はゴミ捨てを気にする必要がないのは、とても気が楽ですね。*
*日本のクリーンベースユーザーの清掃結果より算出。全ての家庭環境において、期間を保証するものではありません。交換用ランプが点灯する前に誤作動や異臭に気づいた場合は、交換することをお勧めします。

ルンバ コンボ j7+は、掃き掃除だけでなく拭き掃除も行なえる、1台2役なロボット掃除機。それを実現しているのが、床の状態を認識するフロアセンサーと、格納式のモップです。
自動的に床の状態を認識し、カーペットでは掃き掃除、フローリングでは掃き掃除+拭き掃除というように、ルンバ コンボ j7+が自動的に判断して適切に掃除をしてくれます。
ルンバ コンボ j7+は、スマートな機能がてんこ盛りなので、基本的に一度設置してしまえば、あとはほとんど手間がかかりません。人類が夢に見た「床掃除からの解放」を実現している、スーパーロボット掃除機と言っても差し支えないでしょう。
AIのアシストが人の暮らしを
次のステップに進めてくれる

AIを駆使した自動運転で「クルマの運転」から解放されることと、ルンバ コンボ j7+で「床掃除」から解放されることは、「ルーティン化したタスクを自動化する」面で、同じアプローチと言えます。
ルーティン化したタスクからの解放により、我々はもっと楽しいことに時間を使うことができるようになります。それこそが、テクノロジーの本質。
テクノロジーは、作業の効率化・短縮化が目的ではありません。ほんとうの目的は、人間のよりよい生き方をサポートすることです。
日々進化するAIは、人類の生活を便利にするだけではなく、人間をその一歩先のステージに連れて行ってくれるもの。
ルンバ コンボ j7+と共に暮らすことで、AIが人間にどのように寄与するのかを実感することができるはずです。そして、もうルンバなしの生活には戻れなくなることでしょう。
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Photo: 三浦一紀
Source: アイロボット