9月15日(金)から、アニメ映画史に名を残すサイコホラーアニメ『パーフェクトブルー』が、公開25周年を記念して4Kリマスター版を期間限定上映します。
全国51館なのでちょっと限定的ではあるのですが、こんなチャンスは滅多にないのでぜひ見に行ってほしいんです。
アニメの概念がひっくり返る作品
『パーフェクトブルー』は、B級アイドルグループを脱退して女優に転身することになった霧越未麻が、徐々に自分の方向性を見失っていくストーリー。
しかし、女優としての仕事はセリフがほとんどもらえなかったり、レイプされる役だったり、ヌード写真を撮ったりと、自分の意に反したものばかり。アイドルだったころとのギャップに悩まされます。
そんな中、自分のなりすましが登場。しかも自分が少しでも嫌だと思った人が惨殺される事件まで発生します。未麻はいよいよ自分がおかしくなってきたのだと追い詰められていくのです。
公開された1998年は“アニメ=子どものもの”という認識が強かったと記憶しています。ましてやメジャーなアニメでサスペンスやホラーが描かれるなんてことはほとんどなかったはず。そんな時代に、残忍な殺人描写が含まれるサイコホラーアニメ『パーフェクトブルー』は劇場公開されました。
現実と妄想が入り乱れる世界観の表現がアニメにピッタリで、アニメの可能性を知らしめただけでなく、アニメに対する世間一般的な認識を大きく変えるきっかけの1つになりました。
本作を手がけた今敏監督は、『パーフェクトブルー』が初監督作品だったこともあり、大型新人が出てきたと世界中が沸き立ちました。
今敏監督は46歳という若さでこの世を去ってしまったので、遺された作品は数本ですが、現実と虚構の間を曖昧に描く作風は国内外に大きな影響を与えたんです。
クールジャパンを語る上で外せない

ハリウッドにも今敏監督のファンは多数いて、最も有名なのは『ブラック・スワン』のダーレン・アロノフスキー監督。自身の作品にも今監督へのリスペクトが現れているほど。
それに彼は『パーフェクトブルー』の実写化権を手に入れようとしたんですよ。いろいろあって実現しなかったみたいですが。
ちなみに「日本情報文化センター(JICC)」という日本政府がアメリカに向けて日本文化を発信する機関も、今敏監督の特集を組んでアピールしました。
劇場で見ないと損する
そんな『パーフェクトブルー』が4Kリマスターで劇場公開されるんです。この作品を知っている人は、私も含めて大興奮。
今敏監督の『千年女優』や『パプリカ』が配信プラットフォームにやってきただけでファンは狂喜乱舞だったので、『パーフェクトブルー』の劇場公開なんて涙が出るほどうれしいんです。
このチャンスを逃す手はありませんよ。というわけで、9月15日は劇場へGO!
Source: Filmarks