LenovoのThinkBook Plusシリーズ。「Plus」と着くだけあって、何かしら乗っています。キーボード横にサブディスプレイがのったモデルもありました。
ThinkBook Plus Gen 4でプラスされているのは、カラー電子インク。OLEDと電子インクのディスプレイ2枚が乗った2-in-1端末です。ThinkBook Plus Twistとも呼ばれています。
米Gizmodoが実機をちらっと触ってみました。画面がぐるっと回るラップトップ、閉じたら電子インク画面の個性あふれるタブレット。あなたなら、どんな使い方しますか?
ThinkBook Plus Gen 4

これは何?:OLEDスクリーンとカラー電子インクスクリーン搭載のハイブリッド2-in1端末。超個性派Windowsマシン。
価格:3,000ドル前後(約45万円。日本発売未定)。
好きなところ:カラー電子インクスクリーンが載っているという物珍しさ。電子インクの方を使うと当然だけどバッテリー持ちが長い。
残念なところ:Kindle本にアクセスがちょい面倒。ターゲット層がいまいち見えない。
ハイブリッドすぎるマシン
最近、学生向けのDellバジェット2-in1端末をレビューしまして、これと360度ヒンジは似ています。
が、ThinkBook Plus Gen 4はDellの端末をスタートラインに詰め込めるだけ詰め込んでいった感覚。なんぜOLEDの裏側に電子インクディスプレイがついていますからね。
読書やメモを電子インク側で行なうことで、バッテリー持ちが爆伸びするのが魅力です。
個性派端末ですが、ThinkBookシリーズの一員なのでタフです。衝撃や振動、温度差や防塵性は、ミリタリ基準の米軍MIL規格を満たしています。
何にお金を払いたいのか?
ちょっとお金の話をしますが、本端末は(選ぶオプションにもよりますが)基本3,000ドル前後になるでしょう。お高い。ゲーミングノートの高位機種、Apple(アップル)ならMacBook Proの16インチが買える金額になります。
が、同価格帯の他の端末と比べると、高画質ゲームや動画編集をスラスラできるパワーはありません。当然です、この金額はパソコン性能ではなく2つのスクリーンという個性に投じられたものだからです。
何が言いたいかというと、ニッチだよねってこと。この額をこの仕様に出そう!と思う人はものすごく限られるだろうということ。いいとか悪いじゃなくて、ターゲットはメインストリームではないということ。
ただ、これを書いているこの瞬間、米国ではLenovoのクーポン配布によって、1,700ドル(約25万4000円)で買える選択肢が出ています。1,700ドルなら、おもしろさもあって手に取る人も若干増えるかもしれませんね。
まぁ、いくらになろうと変わり種マシンであることは間違いありませんが。
特徴的なヒンジデザイン

ニッチであることを抑えた上でマシンを使っていきましょう。
まず、やはり目に付くのはそのヒンジ。タブレット使いを可能にする360度ヒンジは2つではなく1つのみ。これが肝で、1つなので画面がくるっと回転できます。
OLEDと電子インクが裏表に搭載されているので、くるっと回転して画面を物理的に切り替えることができます。
注意点として、OLED→電子インクは時計回り、電子インク→OLEFは反時計回りです。逆回転はできないので無理強いはダメだよ。
電子インク画面どう?

ここまでできる電子インク画面はなかなかないと思います。そもそもWIndows 11が普通に使えますから。
電子インクなので画面リフレッシュに若干遅さを感じますが使えます(画面残りにイラっとしたら、ボタンがあるのでそこタップして強制リフレッシュできます)。
画面の色味もビビッドとはほど遠いですが、それはそれでこの目に優しい画面がいいときもあります。
電子インク側を表にして閉じてタブレット使いするときは、ショートカット設定が便利。電子インク画面向けのアプリを設定しておくのがおすすめです。
指での操作に問題はありませんが、同梱のLenovoスタイラスペンを使うのもよし。メモ書きはもちろん、簡単なスケッチもこなせますが、Kindle ScribeやApple Pencilとセットで使うiPad Proと比べると、書き心地の滑らかさ・反応は落ちます。

電子インク画面が最も使われるシーンは電子書籍リーダーとしてなので、Kindle本が読めるかどうかが気になる人は多いはず。
結論から言うと、読めます。読めはします。ただ、プリインストールされている書籍アプリは、PDFとDRM(デジタル著作権管理)なしのePubファイルのみ対応。
Kindle端末ではないので、Kindle本がデフォ対応されているわけではありません。つまり、読めることは読めるけど、ワンクッションいりますよと。
電子インクスクリーンが載っているだけでWindowsマシンに変わりはないので、Kindle本を読もうと思えばWindows Kindleアプリを使うか、ウェブブラウザからアクセスする必要あり。もちろん、これOLED画面でも使えます。
Kindle端末でKindle本を読む読書体験からは劣ることは頭に留めておくべきでしょう。
スペックと価格のアンバランス

Intel Core i7 CPUにIntel Irisグラフィックスは、一般的なパワフルマシン。ただ前述したように、変わり種2枚ディスプレイにお金を投じる端末なので、価格比較やスペック比較だとどうしても見劣りします。
たとえば、ベンチマークだと15インチのM2 MacBook Airよりも遅いけど、バジェット端末のDell Inspiron 2-in-1よりは速い。でも、ベンチマークのスコアを見て価格表見ると、え?って絶対なります。パフォーマンスと価格のバランスがとれていない端末なんです。しつこいけど、2枚ディスプレイにお金払ってるので!
おもしろいことは間違いない
最終的にはやっぱり第一印象のまま。ニッチであるという感想になります。ニッチな人に向けたニッチな端末。
でも触ってみたら、なんか嫌いじゃないなとは思いました。個人的には電子インクとOLEDの二刀流もいいなって。
というのも、私は常にノートPCに加えてKindleを持ち歩くタイプの人間なので。この2台が1つになってるのはアイディアとしては悪くないなって。
ただ、しつこいですが、そもそもこのニコイチを(価格も含め)効率的だと考える人はかなり少数派なんですがね。