現実も幻想も、自然の中に。
自然の風景は日常の中でもさまざまな表情を見せてくれますが、Nature TTL Photographer of the Yearの受賞作ではますます多様です。「野生のポートレート」や「カメラトラップ」「夜空」などなど、いろんなテーマで世界中から集まった写真が見られます。
生き物の強さや厳しさが感じられるものや、一瞬の幻想的な光景、自然なんだけど自然じゃないみたいな写真から、お気に入りを探してみてください。
アザラシを待つホッキョクグマ

「動物の習性」部門の受賞作品は、ノルウェー・スバールバル諸島で撮影されたホッキョクグマの写真。アザラシが氷の空気穴から顔を出すのを、じっと待っているところです。
交差点のクモ

幻想的な写真ですが、じつはドイツのイッベンビューレンという町にあるごく普通の歩道橋で撮影されました。クモを囲む青い光は後ろの交差点のものなんですが、まるでクモが光の球の中に浮かんでいるように見えますね。
丘を歩くシカたち

「17歳以下」部門で次点となったこちらは、丘の上のシカを捉えたもの。シルエットとなったシカたちが、まるでモノトーンの絵みたいです。
境界を越えるジャガー

こちらはメキシコのキンタナローで撮影された、「カメラトラップ」部門の受賞作。ジャガーが通っているのは、ジャングルと街を隔てる壁の崩れ目です。動物の生息地が分断される中、野生動物が人間と接触することが増えています。
消えゆくアオサギ

「野生ポートレート」部門で次点となったのは、米国フロリダ州ダニーデンで撮られたもの。信号の光を反射する青い水面に、アオサギのシルエットがはかなげに映っています。撮影したRobert Gloeckner氏は、アオサギの生息地が縮小している現状を指摘し、あえてぼんやりと撮ったとコメントしています。
クロウタドリの親子

「カメラトラップ」部門の次点は、このユーラシアクロウタドリの親子。撮影したIgor Mikula氏の友人宅のバスルームの窓に、巣を作っていたそうです。
点と線と平面

こちらはオーストラリアで撮影された、「スモール・ワールド」部門の次点作。ススキノキの直線的な葉の上を歩くアリが、力強いです。
溶けていく氷帽

「風景」部門の受賞作は、ノルウェーにあるアウストフォンナ氷帽。ヨーロッパで第三の大きさを持つ氷河の塊ですが、現在の気候変動により、急速に溶け出しつつあります。
争うコマドリたち

「動物の習性」部門の次点となった、ヨーロッパコマドリたち。まだ雪の残る春先の、英国スコットランドの一枚です。
赤い川

スペインのリオ・ティント川をドローン撮影したもの。ティント(赤い)という名が示す赤い色は、周辺の鉱山から流れ込んだ酸と鉄分によるものとされています。「風景」部門の次点作です。
絵のような死

「スモール・ワールド」」部門の受賞作は、ノルウェー・ロンダーネ国立公園で撮影された、蛾の死骸です。汚れた地面の上ですが、ビューファインダーを通して「絵画のように見えた」と撮影したFlorian Smit氏はコメントしています。
天の川と…?

夜空に溶け込んでいるのは、野生のイノシシ。コラージュみたいに見えますが、天の川がごく低い位置に見える数日間をねらって水槽にカメラを仕込み、リモート操作で撮影したそうです。「夜の空」部門受賞作。
洞窟から見るオーロラ

滝越しのオーロラを捉えたこちら、「夜の空」部門の次点作です。
奥行きの感覚

「水中」部門受賞作は、オーストラリアのマンリービーチで捉えたクラゲの一種「Jelly blubber」の群れ。海の中に浮かんでるみたいに、上下や前後の感覚が曖昧になっていきます。
ハチの家探し

無数のハチが、大きくなった巣を離れ、新しい家を探してるところです。こちらは「17歳以下」部門の受賞作。
アシカの王国

無数の魚の群れにアシカ(Zalophus californianus)が分け入っていきます。こちらはオスのアシカで、背後にはメス6頭のハーレムを形成しているようです。「野生のポートレート」部門受賞作。
ヒトのいぬ間の…

「都市の野生生物」部門の受賞作は、空き家で食べ物を探すドブネズミを捉えたもの。モーションセンサーを使って撮影したそうです。
群衆制御

「水中」部門の次点作は、ノルウェー・シェルボイで撮影されたもの。身を守るべく巨大な球形になったニシンの大群を「カルーセル・フィーディング」という方法で効率よく捕食するシャチの姿です。