macOS MojaveとiOS 12のベータ版を入れて大失敗…。改めて学んだこと

  • 湯木進悟
Image: Apple / Gizmodo US

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ベータ版はベータ版なのです…。

新しいソフトウェアが発表されても、実際に正式リリースされるのは何カ月も先のことというのは珍しくありません。でも、いち早く試してみたくなるのも人間の心理ですよね? そこで、ベータ版に手を出してみたくなるのはわかりますけど、本当に使えるのか、一般ユーザーは慎重に考えたほうがいいですよ。

米GizmodoのAdam Clark Estes記者は、macOS MojaveとiOS 12のベータ版に手を出し、苦い思いをして学んだようです。以下、実際の体験内容を、そのままお届けいたします。


ソフトウェアアップデートは興奮を誘うものですよね。だから、僕は友だちに語り続けてきました。もしアップデートを遅らせていれば「おいおい、とってもよいものを逃してしまっているぜ」と口にしてきたものです。それで、僕は時にソフトウェアのベータ版にさえ手を出してきました。バグは煩わしいものの、新機能はすばらしいんです。ところが、このアプローチによって、このほどmacOS MojaveiOS 12のベータ版で手痛い経験をしてしまいましたよ。まぁ、今回の悲劇によって、図らずも自分はコンピューターユーザーとして成長したかもしれませんけれど。

これは本当にバカげた話です。あっ、あくまでもバカなのは僕のことですからね。仕事仲間たちがmacOS Mojaveのベータ版を入れて、あまりにも新しいダークモードがかっこよかったので、僕も入れなきゃと覚悟を決めたんです。そして、どうせやるならば、iOS 12のパブリックベータプログラムにも参加して、どんなものか試してみなきゃと考えました。安定したソフトウェアから離れ、日々の生活で予想外の冒険ができるかなって! それで、毎日使っているラップトップとスマートフォンでやってしまったんですよね~。

繰り返しますが、僕は本当にバカなことをしました。いくらか教訓も学べましたけど。macOS MojaveとiOS 12を、それぞれラップトップとスマホにダウンロードしてから24時間もたたないうちに、僕の世界は奈落の底へと転落です。スマートフォンで通知が受け取れなくなってしまい、テキストメッセージの送信もできなくなりました。ラップトップは、しょっちゅうWi-Fiが途切れてしまい、iPhone Xのバッテリー寿命が信じられないくらい短くなりました。これは僕の失敗です。少しだけ自分を弁護するならば、ややApple(アップル)の失敗でもあるでしょうか? どんな教訓が得られたかを示す意味でも、これから時系列に今回の悲劇を紹介し、なにが学べるのかを考えてみましょう。

今回が最初ではない

重要なOSのベータ版をダウンロードするのは、実は初めてのことではありません。数年前、ボクは初めてGizmodoでレビューを書きました。あのいわくつきのiOS 7のです。ほとんどのユーザーが、結局は必要に駆られてアップグレードせざるを得なかったわけですから、わざわざレビューするほどのものでもなかったかもしれません。でも、僕の編集者が甘い誘いをかけてきて、「ディベロッパー向けのベータ版をダウンロードして、新機能をチェックしてみなよ」と話しかけてきたんです。そのときは、自分でも興奮してしまったんですよね…。

結局のところ、なぜソフトウェアについて詳しい知識を有する人たちが、開発者でもない人は常日頃からベータ版なんて使うべきではないと述べるものなのか、すぐ身をもって知らされました。少なくとも賢いコンピューターユーザーであれば、絶対に普段使いのコンピューターやスマートフォンへ、OSのベータ版なんてダウンロードしたらいけないと教えてくれるでしょう。ソフトウェアがベータ版と呼ばれるのには、必ず理由があるのです。ベータ版は未完成で、たくさんバグがあって、異常な動作をすることが保証されているようなものです! もしどうしても新しいOSの動作に興味があるならば、古いスマートフォンなどにインストールすると、悩ましい問題を避けることができるでしょう。

iOS 7のレビューをしたとき、僕は1台しかiPhoneを持っていませんでした。いまよりもっと無知でしたから、とにかくディベロッパーアカウントに登録して、信頼できるiOS 6に別れを告げ、輝かしい新たなフラットデザインの世界へと飛びこんでいったのです。そしてバーに出かけ、おっ、君のiPhoneは変わってるよねと話しかけられ、どうやったらできるんだいと尋ねられることを夢見ました。だれもそんなこと尋ねてくれませんでしたけどね。

むしろ勤務時間中に多くのメールが届かなくなり、早くも午前10時にはバッテリー切れとなり、平常心を保つことが難しい日々を送ることになったのです。なんとかレビューはできたものの、もう決してこんなことはすまいと誓ったのでした。iOS 8が正式リリースされる前、再びボクはベータ版を入れることになりましたが、今度は古いスマートフォンにダウンロードして、賢者の意見に耳を傾けたのです。その後、しばらくはこの方法を取ってきたのですが、今年はやらかしてしまったんですよ~。

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とある友人のせいで、僕のバックアップ用のスマホは数カ月前に壊れてしまいました。いま僕が持っているのは、いつものiPhone Xのみです。僕のバックアップ用のラップトップも同じような状況で、いまは仕事用のMacBook Proが1台あるだけ。普通であれば、OSのベータ版はバックアップ用のラップトップとスマートフォンに入れなければならないと理解していたわけですから、今年のパブリックベータ版はスキップする流れとなるでしょう。でも、僕はそうしませんでした。1週間前、僕はどちらも同時にダウンロードし、自分の大胆さを誇らしく思ったものです。その気持ちは1日ともちませんでしたけど。

今回が最悪だったわけではない

iOS 12は、あまりiOS 11と異なるところはありません。Appleのモバイルソフトウェアの次期バージョンは、安定性の向上にフォーカスし、現行のバグの解消に重きを置いたものになると、長らく報じられてもきました。同じように、macOS Mojaveのアップグレード内容も控えめなものです。新たなダークモードを除いては、多くの改良点が、探さなければ気づかない程度のものでしょう。もちろん、Finderでクイック編集のオプションが加えられるなど、気に入った点はありますが、なくてはならないものというわけでもありません。先に記したように、もっともパブリックベータプログラムへの参加を促す要因となったのは、ダークモードを手に入れたかったからです。それは期待通りダークでしたが、その結末も暗いものとなってしまいました…。

今回の初期のmacOS MojaveおよびiOS 12のバグは、暗いなんて言葉で片づけられるレベルではありません。もう最悪です! いまこの原稿を書きながら、僕はiPhoneをホットスポットとして使っています。Mojaveを入れたラップトップは、たまにしかWi-Fiにつながりません。それに会社のセキュリティソフトウェアが、まったくmacOS Mojaveに対応していないせいか、異常な動きばかりしています。一方、iPhoneのほうはというと、90分前にフル充電したばかりなのに、もうバッテリー切れに。いまもテキストメッセージを受信できず、連絡先リストも動かないのか、だれから送られてきたのかすらもわかりません。昔にAppleのOSのベータ版で経験したバグの数々を思い出しました。ただ前のほうが、もっと深刻だったように思えますが。

今回のトラブルの多くは、もし新たなソフトウェアで本当に最高のエクスペリエンスを体験させてもらえるなら、耐え難いものではなかったかもしれません。確かに新しいmacOSとiOSは、以前のものよりすばらしいですが、格別に感動を与えるものでもありません。何年も前にiOS 7のフラットデザインで感動したレベルとは、比較になりませんでした。もちろん、macOS Mojaveにはダークモードが備わります。しかしながら、ボクが使っているソフトの半分は、まだサポートされていません。iOS 12には、クールなSiriのショートカットやARKit 2があるものの、本当に新機能が威力を発揮するには、サードパーティアプリが必要となります。こうしたアプリは、正式リリースまで提供されません。iOS 12のパブリックベータでは、Memojiが、もっとも際立つ新機能となるでしょうか? ボクは気に入りませんでしたけれどね~。

OSの初期ベータ版を使うと、きまって最悪のタイミング最悪のバグが頭をもたげてくるものです。今回のテキストメッセージの問題など、なんとか直せるものもあります。実は今回のものはiMessageのバグで、iOSデバイスのiCloudアカウントから完全にサインアウトし、再びサインインすることで解消しました。Wi-Fi関連のトラブルも、決して世界が終わってしまうほどではありませんでした。どうやら公共のWi-Fiネットワークとの相性の問題だったようで、Safariで特定のページを開いて、この問題を解決することができました。ただ会社で使うソフトウェアの問題は、最後まで解消されていません。次々とポップアップが開いては、1日じゅう頭を悩まされます。残念なことに、公式のmacOS High Sierraを使っていたころよりも、僕のラップトップはセキュリティに問題を抱えたままですよ。

それで、1週間の苦痛の末、僕はすべてを元に戻すことにしました。新しいパブリックベータプログラムには、パブリックベータ登録から外れるための解除コードが用意されています。不安定なソフトウェアが気に入らなければ、パブリックベータのプロフィールを削除し、デバイスをリカバリモードにして、パブリックベータをインストールする前に取っていたバックアップからのリストアが可能ですね。この一連のプロセスを説明するため、Appleは、ちょっとしたホームページまで用意しています。ただ問題は、macOSのバックアップは、Time Machineを使ってしかできません。なんでも僕はGoogle Driveにバックアップしてましたから、これはなんの役にも立ちませんでした。仕方なくmacOS Mojaveは、それほどバグだらけというわけでもなかったので、このまま使い続けることに決めています。

iOS 12に見切りをつけるのは、もっと困難でした。幸いiPhoneのバックアップは、iTunesで取るようにしてきました。そこで、iOS 12を消去して、フルリストアへと進んだわけですが、なかなか以前のiOS 11へと戻ってくれませんね。悲劇的にもmacOS Mojaveベータ版のiTunesでは、ボクのiPhoneは認識してもらえず、この方法ではリストアできなかったのです! Finderのモバイルバックアップフォルダを探し続けて、ついにバックアップファイルを見つけ出し、別のコンピューターからのリストアができました。最初にボクは(iOS 12を)消去してから、リカバリモードにせずにリストアを試みていました。そうすると、バックアップからiPhoneはリストアされるものの、iOS 12は、引き続き残ったままになってしまうのです。まずデバイスをリカバリモードにし、それからバックアップからのリストアを行なわなければなりませんでした。これは大げさではなく、実に丸1日がかりの作業となってしまいましたね…。

二度とこんなことはしない

今回の未完成のソフトウェアに多大の時間を無駄にしてから、ようやく終わりました。いまはボクのiPhone Xは、数日分のデータ損失はあったものの、ほぼ元通りになっています。僕のMacBook Proは、いまだにバグに悩まされているものの、なんとかやりおおせています。同僚のなかには、画面が完全にブルースクリーンとなってしまった人もいるので、まだマシなほうです。ただ自分のことが恥ずかしいだけですよ。日常生活でベータソフトを使おうものなら、こんなにも不便を強いられるものの、これは自分で避けることができたはずなのです。Appleも、バグのことは十分に念頭に置いて、すべてをバックアップしてから始めるようにと忠告してくれていました。

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これまでどんなふうにコンピューターを使ってきたのか、少し吟味する機会ともなりました。ちょっと自信過剰な面もあったかな。いろいろ問題を自分で解決したり、いくらかハードウェアのリペアだってできるようになっていたものの、決して僕はディベロッパーではありません。そもそもAppleのためにバグを見つける仕事とは無縁ですし、iPhoneやMacBookなんて、友だちと連絡を取り合ったり、仕事に使うだけです。アドバイスされていたのに、僕はMacBookをAppleが求めるのとは別の方法でバックアップを取り、そのすべては早くダークモードを試してみたいという思いだけでしてしまったのです。

だから、僕は行き詰まってしまいました。このまま秋に正式リリースを迎えるまで、僕はベータ版を使い続けるしかありません。バグにつきまとわれ、ストレスはたまっていくばかり。もしなにかよいことがあったとすれば、こんな失敗は二度としないと決意できたことでしょう。自分はスーパーユーザーで、まだ未完成のソフトウェアだって操って楽しめるなどとは、もう考えません。Appleに指示されたとおりにバックアップを取り、万が一のリストアに備えます。きっと今後は、もっと優れたコンピューターユーザーになれるでしょう。まぁ、自分がバカげた失敗を繰り返さないかどうか、定かではありませんが。


Image: Apple / Gizmodo US

Adam Clark Estes - Gizmodo US[原文
(湯木進悟)